最近の「小五」は大人より空気を読んでいる件
子どもには空気なんて読まずに活き活きと日々を過ごして欲しいものですが、学校という狭いコミュニティが当人の価値観の8割以上を規定する教育制度は、その閉塞感ゆえにかえって空気を読む力ばかりが育つのかもしれません。言い換えれば友達を大切にしているってことですけどね。少女革命ウテナですね。歌詞を載せると某巨大音楽権利企業から怒られるのでやめておきますが。
(――「ふるさと女学院」・初等部教室――)
……と、いうことで。日本には47の都道府県があって、それぞれに名物なおみやげがあるんですわ(。-∀-)ノ みんなの中で、旅行のおみやげを買ってきたことがある人ー!! http://tohokuzunko.blog.fc2.com/blog-entry-42.html
今日は、「ふるさと女学院」の初等部の授業に、イタコ姉さまが特別講師としてやってきています。ちなみに初等部というのは小学校1年生~6年生のことです。
(――タコねえさま、張り切ってますね。まあ、仕事に全力投球するのはいつものことですが) http://tohokuzunko.blog.fc2.com/blog-entry-43.html
……うんっ☆ ありがとー、きりたんお姉さん! http://tohokuzunko.blog.fc2.com/blog-entry-49.html
隣で勉強するちゃんこに声をかけると、明るい声が返ってきます。念願だった学校に通うことができて、彼女は思い切りエンジョイしているようです。予想外に素直なちゃんこの授業風景に、きりたんはほっと胸をなで下ろしました。
いつになく真面目な顔で授業を受けているきりたんは、教室の最後尾に自然と増えている三つの机を、ちらりと振り返ります。
そう。今日の彼女には気が抜けない理由があるのです。なんとそこには――。
――自分の胸のサイズを見下ろしながら、ずん子は、昨日の出来事を思い返していました。
(――回想・「大都会」アジト――)
遊びに来たずん子が、ずんだ餅を片手にお茶をすすって報告します。のんびりとした彼女とは正反対に、つるぎとしのびはこの世の終わりのような表情をしていました。
急に目を血走らせ始めたつるぎとちゃんこを見て、ずん子は嫌な予感がしました。なにせ、ちゃんこの頼みとあらば日本征服もいとわない二人です。「強行」偵察作戦なんて、ろくな内容になるとも思えません。
――ガッシィ!
ずんだ餅を諦めきれずに包んでいた時間が致命的でした。二人に気付かれないよう、こっそりアジトから退出しようとしたずん子は、しのびの忍術によって、ベルトのようなものでふとももを拘束されます。
(――再び、「ふるさと女学院」授業中――)
教室の最後尾から三者三様のプレッシャーを放っている「大きなおともだち」でしたが、2年生と5年生の合同クラスは、全力で彼女たちに触れないようにしています。まだ幼い彼女たちにも、近寄ってはいけない人がいることくらいは、分かるようです。
かつてない緊張感の授業空間の中で、額に脂汗を浮かべながら、きりたんは教室を見回します。
女子生徒A(2年生)「…………」(チラッチラッ
女子生徒B(5年生)「…………なにあれ……」(チラッチラッ
きりたんの瞳に、決意の炎が灯ります。期せずして――彼女の五月病は、完治したようでした。
「Xワード」を言いかけたちゃんこの口を、きりたんが飛び上がって抑えます。座った状態から、「力士ロボ」に乗ったまま授業を受けている彼女の高さまで飛び上がったきりたんは、まさに必死の形相でした。
変に疑うことなくゲームに乗ってくれたちゃんこを見て、きりたんの彼女を見る目が少し、変わったような気がしました。本人すら気付いていないところでそんな変化が起きている間、イタコ姉さまは先ほどのずん子の答えを板書しています。
縦ロールの女子生徒「……せんせー!」
縦ロールの女子生徒「ちゃんこちゃんがじゃまで黒板がみえませーん!」
「力士ロボ」に乗っているちゃんこは、普段の教室では最後列に座っているのですが――今日はちょっと特殊な合同クラス。普段と違って前の方にいますので、後ろの生徒の視界を遮っているようです。
先日の征服騒動以来、「力士ロボ」からちょくちょく下りるようになったちゃんこです。クラスメイトの指摘には素直に応じようとしますが――一人だけ、黙っていられない人がいました。
縦ロールの女子生徒「ひいっ!?」
縦ロールの女子生徒「これは……す、すごい! ちゃんこちゃんのロボットが透けて……見える! わたしにも黒板が見える!」(チャキッ
女子生徒A(2年生)「マジ!? まほうみたーい!!」(ガタッ
女子生徒B(5年生)「わたしにもかけさせてー!!」(ガタタッ
メガネをかけた子の声を聞いて、わらわらと、生徒たちが集まってきます。口々に\すげえ!/\わたしもー!/といった言葉が飛び交うクラスメイトの中心には、ちゃんこがいます。
女子生徒B(5年生)「ホントだー! ちゃんこちゃんが浮いて見えるー!」
(――放課後――)
イキイキしているちゃんことは対照的に、きりたんはげっそりしています。あのあとも、般若のような顔でちゃんこを見守るつるぎと、事あるごとに面白アイテムを取り出すしのびに振り回され、危うく、何度も彼女たちの名前を呼んでしまうところでした。
縦ロールの女子生徒「ちゃんこちゃーん! 一緒にかえろー!」
「――仕方ないですね……」と苦笑するきりたんの顔は、今日一日でずいぶんお姉さんっぽくなったように見えます。ちゃんこが名付けた「きりおねえたん」は瞬く間に2年生の間に広がり、ちゃんこ本人も、面白そうに彼女の名を連呼しています。
きりたんとちゃんこを中心とした小学生たちの微笑ましいやり取りを遠巻きに見て、三人は暖かい気持ちで初等部のクラスに背を向けます。
――ズドドドドドドドド……。
頬を赤らめながら「アレ」を背負ったずん子の姿は、そのギャップも相まって、なかなかに倒錯的な魅力があります。そして、そんなずん子を――当然、「彼女」が放っておくわけがありませんでした。
――その後、関係者だとバレたきりたんは、ゲーム敗北の代償として「ちゃんこの力士ロボに特注のランドセルを背負わせる係」を命名されますが――それはまた、別のお話。
――おわり―― (※今回もまとめのコメント欄にて感想をお待ちしています! また、まとめのコメント欄にずん子のイラストを投稿してくださる方も募集中です!)
次回はこちら http://inove.jp/ivsid1440

































