ずん子ちゃん、牛丼を食べる。
ずん子ちゃんの住む部屋。
あれ? メールだ?
どうしました?
いたこちゃんが牛丼欲しいか、って聞いてる。
持ち帰りの牛丼ですか?
ひさしぶりにいいですね。
ひさしぶりにいいですね。
うん。じゃ、お願いしておこう。
牛丼といえば、論争ですよね。
は?
例えば、どこの店の牛丼が1番とか。
ありますねー、ネットとかでも。
まあ、ウチの場合、近所に1軒しかないので論争の余地はないですけど。
まあ、ウチの場合、近所に1軒しかないので論争の余地はないですけど。
地方じゃ牛丼は一種の「ご馳走」ですからね。
とにかく店舗がないからね〜。
どの店がいいかなんて、都会人の贅沢ですよ。ぷんぷん。
地方の悲哀を感じちゃうよね……。
おー、買ってきたぞ〜。
いらっしゃい。
うふふ、いい匂いですね。
特盛りっての買ってきた。
めったに食べないからつい、な。
めったに食べないからつい、な。
うはぁ、ダイエットが。たはは。
さあ、出しましょう。
ほいほい、っと……。
牛丼に、紅しょうがに、七味に……マヨネーズ。
牛丼に、紅しょうがに、七味に……マヨネーズ。
へえ、最近はマヨネーズなんてあるですか?
トッピングでな。珍しいンで買ってきた。
マヨネーズなら家にあるってのにな。
マヨネーズなら家にあるってのにな。
あはは、うっかりですね。
邪道ですよ!
わ。
ほわ。
牛丼にのせていいのは、卵! 紅しょうが! 七味! 以上!
この潔さが牛丼の魅力でしょう?!
この潔さが牛丼の魅力でしょう?!
な、なンか急に語り出したぞ、オイ?
き、きりたんちゃんって、そんなに牛丼好きだったんだ?
牛丼ラブですよ。L・O・V・Eですよ。
それがなにか?
それがなにか?
そ、そうかー。
じゃあ、早く食べよう。冷めちゃうし。
こんなこともあろうかと、卵はすでに冷蔵庫から出しておきました。
速っ!
いつの間に?!
足りないときのために、七味の缶もこれこの通り。
そして、私たちの箸っ!
そして、私たちの箸っ!
て、テンションたけーな。
こんなきりたんちゃんは珍しい。
では、蓋を取ります。
……むむ! むむむむ!
……むむ! むむむむ!
な、なンだよ?
蓋についたこの水滴!
これが滴り落ちて、牛丼の味を損なうのではないかと気がかりで!
これが滴り落ちて、牛丼の味を損なうのではないかと気がかりで!
だ、大丈夫だと思うけど。
それにしても素晴らしいと思いませんか?
食べてもないのに、なにが?
汁の染み込んだご飯の色合いですよ!
こっくりとした具の色が彩なすグラデーション!
これだけでご飯を1杯くらいならいけますね! きっと!
こっくりとした具の色が彩なすグラデーション!
これだけでご飯を1杯くらいならいけますね! きっと!
……今日のきりたんはグルメレポーター並にウザいな。
もはや味覚のロマンチック街道やー、とか言い出しそうですね。
では、まずは一口いただくとしましょう。
うん、美味しい!
うん、美味しい!
おいおい、カメラ回ってるンじゃねえか? もしかして。
まず温度! 保温容器がいい仕事してる。
炊きたてでなく、かといって冷めているでもなく、得も言われぬ具合の温度!
この優しい温度はさながら母の手!
炊きたてでなく、かといって冷めているでもなく、得も言われぬ具合の温度!
この優しい温度はさながら母の手!
きりたんちゃんが、グルメマンガに出てくる審査員みたいな目をしている……。
それも主人公が勝つ方のヤツだ。
うん! うん!
こう! こうですよね! こうでなくっちゃ!
こう! こうですよね! こうでなくっちゃ!
誰に同意を求めてンだ?
きりたんちゃん……。
さあ! ここで卵の投入ですよ!
これにより味がさらなる高次元へと!
これにより味がさらなる高次元へと!
卵を入れるだけで、なぜあんなに嬉しそうに……。
誕生日のお祝いされたときより嬉しそうですね。
舌が旨さのあまり痺れる!
その痺れが全身に周り、精神を法悦境へと誘う!
その痺れが全身に周り、精神を法悦境へと誘う!
……牛丼ってそこまで美味かったっけ?
まあ、味というのは主観ですので……。
あっ! あっ! ダメだ!
もっとゆっくり味わいたいのに、箸が止まらない!
もっとゆっくり味わいたいのに、箸が止まらない!
もしかして違法なドラッグでも入ってたのか?
黒いカレーならその可能性もあるかもですが。
ふう……もう、空ですか。
全部食べてしまったのですね。
全部食べてしまったのですね。
お、戻ったようだぞ?
ああ、良かった。
おや、おふた方、あまり食が進んでいないようですね?
いや、なンか圧倒されて……。
?
なにか変なことでもありましたか?
なにか変なことでもありましたか?
無意識でやってたんだね……。
牛丼というものは本当に美味しいものですね。
いたこさん、改めて今日は本当にありがとうございます。
いたこさん、改めて今日は本当にありがとうございます。
喜んでくれてなによりだぜ。
……ちょっとひくくらいだったが。
……ちょっとひくくらいだったが。
で、では私たちもいただきましょう。
あ、ああ。
……では。
……では。
むほっ! この米から滲み出る肉汁! 旨味!
肉と玉葱の食感のワルツ!
これはもはや!
これはもはや!
食のハイブリッド革命やでーーーっ!
あんなに美味しそうに夢中になって。
ふたりとも本当に牛丼が好きなんですね。
ちょっとひくほど……。
ふたりとも本当に牛丼が好きなんですね。
ちょっとひくほど……。
終わり。