ずん子ちゃん、冒険をする。
ずん子ちゃんの住む部屋。
え? やらせ冒険番組?
そうです。それが今回の企画のウリだそうです。
冒険はともかく、やらせって?
なんでも、昔にそういうヤラセの冒険を放送して大人気にだった番組があったそうだ。
ほら、そういう企画番組あったじゃないですか。
ああ! そういえば。
そうそう。
藤岡弘◯探検隊!
川◯浩探検隊!
あれ?
……ん?
そ、そうそう! 藤岡藤岡!
勘違いしてたぜ!
勘違いしてたぜ!
(あの、いたこちゃんの年齢って……?)
(だからそれはトップシークレットですよ!)
ゆ、YouTubeで嘉◯達夫の歌とか聞いてねーし!
(どうしましょう、このままでは若者おいてきぼりの話になる可能性が)
(ふたりで、がんばりましょう!)
こほん……。
で、その企画で私はなにをしたらいいの? きりたんちゃん?
で、その企画で私はなにをしたらいいの? きりたんちゃん?
もちろん、隊長役です。
タイトルは「東北ずん子ちゃん探検隊」!
タイトルは「東北ずん子ちゃん探検隊」!
ゴロ悪っ!
とするとアマゾンの奥地とか私がいっちゃうわけですか!
ちょっと怖いですね。
ちょっと怖いですね。
いえ、サブタイが
「青森の秘境の奥にずんだ餅の妖精を見た!」となってます。
地元ロケですね。
「青森の秘境の奥にずんだ餅の妖精を見た!」となってます。
地元ロケですね。
え、ええ〜……?
青森は田舎ですけど、いくらなんでも秘境なんてないですよ?
青森は田舎ですけど、いくらなんでも秘境なんてないですよ?
そういうツッコミどころも含めての面白さなンだよ。
(いたこちゃんがノリノリだ……)
そ、そうなんですか。
そ、そうなんですか。
チラッと妖精を見ることが出来ても結局見失って、ラスト、船の上で次こそはと誓うのがお約束なんだよな。
毎回成功しないンだよなぁ。
毎回成功しないンだよなぁ。
失敗前提で冒険するですか。
まあ、確かにそのような企画ですね。これも。
う、うーん?
と、とにかくがんばります。
と、とにかくがんばります。
そうだ、練習しとかないと、ずん子ちゃん。
なんのですか?
リアクションだよ。
へ?
こういう企画ではリアクションが命なんだよ。
オーバーかつ露骨過ぎないような絶妙なリアクション芸が。
オーバーかつ露骨過ぎないような絶妙なリアクション芸が。
む、難しいですね。
今回は映像企画ですから、リアクションは確かに大事ですね。
けど、どうするんですか?
イメージできないんですけど?
イメージできないんですけど?
だから練習するンだよ。
そうだな……この要らなくなったメモ用紙を丸めて、と。
よし。
そうだな……この要らなくなったメモ用紙を丸めて、と。
よし。
それをどうするんですか?
今からこの紙の玉をずん子ちゃんに投げるから。
はぁ?
これをタランチュラだと思ってリアクションしてみろ。
はぁああ?
なぜ青森にタランチュラが出てくるのですか?!
なぜ青森にタランチュラが出てくるのですか?!
なにをいってる。探検隊といえば
タランチュラ、毒蛇、人食い人種と決まってるだろう!
タランチュラ、毒蛇、人食い人種と決まってるだろう!
青森在住の人食い人種ってなんですか?!
無理ありすぎですよ!
無理ありすぎですよ!
なにをいう。
元ネタでだって、そもそも人食い人種なんていなかったんだぞ?!
元ネタでだって、そもそも人食い人種なんていなかったんだぞ?!
もう少しリアリティがなくては?
じゃ、ピラニアに指を噛まれるというのは……?
もはやコントですよ、それじゃあ……。
こういうのはやはり、青森の風土に合ったものでなくてはダメでしょう。
そうですよ、せっかくの地元企画なんですから。
全国に青森らしさを知ってもらわないと。
全国に青森らしさを知ってもらわないと。
その通りだな。
ふむ、青森……遠野……?
よし!
ふむ、青森……遠野……?
よし!
アイデアが出ましたか?
今から霊を呼び出すから、リアクションしてみろ。
本物呼ばないでください!
心霊企画になっちゃいますよ!
青森には恐山があるくらいだぞ?
ピッタリじゃないか。
ピッタリじゃないか。
方向性が変ですよ。
もっとリアルさがないと。
いたこの立場なくすようなこといいやがって……。
なら、クマとかどうだ?
なら、クマとかどうだ?
あ、それくらいなら。
ぎりぎり有り得そうですし、怖いですし。
では、これからクマの動物霊を呼び出すから。
霊から離れて!
余計奇っ怪になっちゃうじゃないですか!
しかし本物ではずん子ちゃんが危ないだろう?
動物霊なら私に操られるから安全だ。
動物霊なら私に操られるから安全だ。
きぐるみとかで妥協しましょうよ。
そこまでのリアリティ求めてないですし、予算もないでしょうし。
仕方ない。
クマ役は私がやろう。
ずん子ちゃんは私をクマと思ってリアクションするように。
クマ役は私がやろう。
ずん子ちゃんは私をクマと思ってリアクションするように。
は、はい?
で、ではスタート!
(のしのし)
え、ええと……?
(もぞもぞ)
(ぷ、うくくく……)
うが?
(わ、笑ってはいけない……!)
うがーっ!
(ぷすぴーっ!)
うがおっ!
あはははははははははははっははっ!
こらーっ! なにを笑ってるんだ!
リアクションはどうした!
リアクションはどうした!
だって、いたこちゃんが可笑し過ぎて!
なにをいう! 真剣味が足らンぞ。
きりたんちゃんを見ろ。……ん?
きりたんちゃんを見ろ。……ん?
……。
笑いをこらえすぎて窒息寸前ですね……。
むう、難しいもンだな。
ならもっと簡単な白骨死体の発見をするか。
ならもっと簡単な白骨死体の発見をするか。
は、はい?
このまごの手を白骨だと思え。
じゃ、ここに置いておくからリアクションして。
じゃ、ここに置いておくからリアクションして。
で、では……「うわあ、白骨死体だあぁ!」
はぁああああ〜〜〜〜っ……。
モノスゴイため息ですね。
わかってない。
ずん子ちゃんは様式美というのを全然わかってない。。
ずん子ちゃんは様式美というのを全然わかってない。。
よ、様式美ですか?
では手本を見せよう。
まず、ちょっと離れたところから白骨を指さして、
「あ、なんだあれは?!」
まず、ちょっと離れたところから白骨を指さして、
「あ、なんだあれは?!」
は、はい。
そしてそばまで駆け寄り、驚きのポース!
「こ、これはっ?!
「こ、これはっ?!
はぁ。
ここでしゃがみこみ、白骨を手に取りしばし観察してからカメラの方を向き、
「こ、これは人間の白骨死体じゃないかっ!」
「こ、これは人間の白骨死体じゃないかっ!」
な、なるほどお。
いいかぁ? こういう企画ではテレビ映りや視聴者へのわかりやすさが大事なんだ。
肝に銘じておけ?
肝に銘じておけ?
(どうしよう……)
(今日のいたこさんすごくウザい……)
なぜ私にこの企画が来なかったンだ?
いたこちゃんが、いたこだからじゃないかな……?
隊長が霊能力者という冒険隊なんて聞いたことないですしね……。
うーむ、どっちかというと科学サイドの企画だもんな。
胡散臭いとはいえ。
胡散臭いとはいえ。
私もどちらかというとファンタジーサイドのキャラですけどね。
ファンタジーと冒険はいいとしても、
霊能系と冒険って完全に死亡フラグですよね……。
霊能系と冒険って完全に死亡フラグですよね……。
霊もそんなに悪いもンでもないんだがなぁ。
元々は生きてた人間なんだし。
元々は生きてた人間なんだし。
むやみに嫌っちゃかわいそうですよね。
そうそう。
本当に怖いのは幽霊ではなく、
生きてる人間なのかも知れない……ですね。
生きてる人間なのかも知れない……ですね。
あ、シメの言葉っぽいことを!
終わり。