「いしのなかにいる」はもう一度テレポートして脱出すべき――東北ずん子小説魔法少女編:第6話
ウ○ザードリィネタ――かつてはこういうネタを使うとあっという間に年齢や世代がバレてしまいましたが、ネットの発達によりそんなこともなくなってきました。むしろ恐ろしいのは、「よく見かけるから」という理由で何の気なしにネタを使う場合ですね。元ネタを知らなかったり、元ネタがあることすら知らなかったりして、不要な地雷を踏んでしまうことになりかねません。
(――放課後・「ふるさと女学院」弓道場――)
ふわふわと浮遊しながら、ずんだもんがゴキゲンな鼻歌を歌っています。
その手には、光り輝くずんだ餅。そう、「エメラルドずんだ餅」(ずん子製)です。
その手には、光り輝くずんだ餅。そう、「エメラルドずんだ餅」(ずん子製)です。
苦節二ヶ月! とうとうエメラルドずんだ餅を食べられるのだー!
ではでは、いただきまー……。
ではでは、いただきまー……。
『えーっ!? きりたんさまも変身したんですかー!?』
……なんなのだー?
ずんだもんが「エメラルドずんだ餅」を口に放り込もうとした瞬間、滅多に聞けないそらの大声が聞こえてきました。これでは、せっかくの「エメラルドずんだ餅」を落ち着いて食べることができません。
ずんだもんはふよふよと、皆の方へと寄っていきました。
ずんだもんはふよふよと、皆の方へと寄っていきました。
――そ、そんな派手なことしましたっけ?
個人的には、もっと穏やかに包まれてる感じというか……。そう、あれはまるで……。
個人的には、もっと穏やかに包まれてる感じというか……。そう、あれはまるで……。
まるで?
――あ、いえ、何でもありません。
えー。それは無茶振りだよめたんちゃーん(。-∀-)ノ
ちょっと! その一言必要だった!?
まあできないよねえ。
そうホイホイと何度もできたら、私の立場が……ヽ(´∀`)ノ
そうホイホイと何度もできたら、私の立場が……ヽ(´∀`)ノ
――たぶん無理ですよね。ま、ちょっとやってみますね。
――変身!
きりたんがそう叫ぶと、弓道場全体がきりたんを中心にしてざわざわとざわめきます。
そして、拍子抜けなほどあっさりと――。
そして、拍子抜けなほどあっさりと――。
――ぽんっ。
!?
へ、変身したのだー!?
ナンデ!?∑(゚◇゚ノ)ノ きりたんナンデ!?
『おおお、確かにガシャーン! って感じの砲門です~。
内部にものすごいエネルギー反応を感じますよ~♪』
内部にものすごいエネルギー反応を感じますよ~♪』
いやいやいやー(¬_,¬)、まさかそう簡単に発射まで……。
――じゃあ、何もなさそうなあそこに向かって撃ってみますね。
撃てるの!?∑(゚д゚;)
…………。
…………。
凄まじい轟音が響き、ずん子たちの聴覚は一瞬だけなくなります。
次の瞬間、50メートルほど先にある地面がまるっと――抉り取られました。
次の瞬間、50メートルほど先にある地面がまるっと――抉り取られました。
う、撃てたー!?∑(゚ω゚ノ)ノ
ナンデ!?
しかもあれだけのエネルギーを使ったのに変身解けてない! ナンデ!?((( ;゚Д゚)))
しかもあれだけのエネルギーを使ったのに変身解けてない! ナンデ!?((( ;゚Д゚)))
貴女が『予兆―フラグ―』を立てるからよ……。
おお?
あれ、なんなのだー?
あれ、なんなのだー?
ずん子たちがきりたんを褒めそやしていると、高い位置で浮いていたずんだもんが何かに気付きました。
『あ、本当ですね~♪
きりたんさまが抉り取った穴の下にぃ、なんか変な物体があるみたいです~』
きりたんさまが抉り取った穴の下にぃ、なんか変な物体があるみたいです~』
なにかしら? まさか、『埋蔵金―プレシャス―』か何かだったりして!
うふふ……、そうしたらお家復興! 今の生活ともおさらば!
そしてわたくしは……って……。
うふふ……、そうしたらお家復興! 今の生活ともおさらば!
そしてわたくしは……って……。
きりたんの言うとおり、穴の底には大きい石が2つ並んでいました。
大きいと言っても、片方はずん子たちと同じくらいの高さがあるのに対して――、
もう片方は、膝までの高さしかないかわりに、でっぷりと丸く太っています。
大きいと言っても、片方はずん子たちと同じくらいの高さがあるのに対して――、
もう片方は、膝までの高さしかないかわりに、でっぷりと丸く太っています。
なんだろ、これ……(´・ω・`)
背の高い方はほとんど真っ平らだねえ。何か書いてある様子もないし……。
背の高い方はほとんど真っ平らだねえ。何か書いてある様子もないし……。
――めたんさん、こういうの好きそうですもんね……。
こっちの太った方の石には、なんか穴がありますね。
あんまり大きくない……、敢えて言えば……えーっと……。
こっちの太った方の石には、なんか穴がありますね。
あんまり大きくない……、敢えて言えば……えーっと……。
『ずんだ餅サイズ、ですかね~……』
心当たりのありそうな口ぶりで、ずんだもんがふよふよと穴に近づきます。
そして、先ほど食べかけていた「エメラルドずんだ餅(ずん子製)」を取り出すと――むにゅっと、押し込みました。
そして、先ほど食べかけていた「エメラルドずんだ餅(ずん子製)」を取り出すと――むにゅっと、押し込みました。
――すると。
……へっ!?∑(゚д゚;)
きゅ、急に地面がなくなって……!?
きゅ、急に地面がなくなって……!?
ちょ、ちょっと!
このままじゃ落ちるわよ!? というか吸い込まれてるわよ!?
このままじゃ落ちるわよ!? というか吸い込まれてるわよ!?
『無重力装t……あ、間に合わない♪』
――ちょっ……。
あっという間の出来事でした。
あれよあれよと言う間に、ずん子たちは足元にできた黒い穴に吸い込まれてしまったのです。
あれよあれよと言う間に、ずん子たちは足元にできた黒い穴に吸い込まれてしまったのです。
(――400年前、山中――)
……はっ!? このパターンにも慣れてきたぞ!ヽ(`Д´)ノ
ちょっと、「いつもの」って言うのやめなさいよ。
『非日常感―プレミア感―』が損なわれるじゃない。
『非日常感―プレミア感―』が損なわれるじゃない。
山中に突っ伏していたずん子たちが、何事もなかったかのように立ち上がります。
慣れとは恐ろしいものですね。
――もっとも、初めて経験するはずのそらは単純に肝が据わっているだけでしょうが。
慣れとは恐ろしいものですね。
――もっとも、初めて経験するはずのそらは単純に肝が据わっているだけでしょうが。
ずん子! これを見るのだ!
――これは……。さっきまでわたしたちが前にしていた石碑?
いや……、でも、うーん……。
いや……、でも、うーん……。
きりたんが言い淀むのも無理はありません。
背の高い物体とでっぷり太った物体は、確かに先ほどまで見ていたものと似通ったシルエットでしたが――どう見ても、その質感が違うのです。
主に、色とぷにぷに感が。
背の高い物体とでっぷり太った物体は、確かに先ほどまで見ていたものと似通ったシルエットでしたが――どう見ても、その質感が違うのです。
主に、色とぷにぷに感が。
餅碑…………(o'∀'人)(うずうず
そう。餅碑です。どう見ても巨大な餅なのです。
『あっ、こっちの太った餅さまの方にはさっきと同じ穴が空いてますよ~♪
400年後と同じ、ずんだ餅サイズです~♪』
400年後と同じ、ずんだ餅サイズです~♪』
じゃあ、これが400年かけて『色褪せた―石化した―』ってこと?
なら、もう一度はめこめば元の時代に戻れるわね。
ずん子、ちょっとずんだ餅作ってそこにはめてみなさいよ……って、ずん子?
なら、もう一度はめこめば元の時代に戻れるわね。
ずん子、ちょっとずんだ餅作ってそこにはめてみなさいよ……って、ずん子?
――は!?
そう言って、ずん子が力を発揮しようとした――その瞬間でした。
ずん子ー!?
ずん子の全身が強く引っ張られたかと思うと、ぷるぷるでもちもちな食感にくるまれます。
――そう。背の高い方の餅碑が、なんの力を使ったのか、ずん子を思い切り引き寄せたのです。
――そう。背の高い方の餅碑が、なんの力を使ったのか、ずん子を思い切り引き寄せたのです。
もがー! もがー!ヽ(〃∀〃)ノ
『ご、ご主ずんさまが餅碑の中に埋まっていきます~!?(涙)
し、しかも何か若干嬉しそう……(汗)』
し、しかも何か若干嬉しそう……(汗)』
いやいやいやいや!?
このままじゃ窒息するのだ! 急いでずん子を引っ張り出すのだ!!
このままじゃ窒息するのだ! 急いでずん子を引っ張り出すのだ!!
ええ!
めたんたちがずん子に駆け寄り、四肢を掴んで餅碑から引き剥がそうとします。
もっとも、肝心のずん子はといえば――。
もっとも、肝心のずん子はといえば――。
(ぜ、全身ほどよくマッサージされて気持ちいい……(〃∀〃)
ずんだ餅マッサージ……、これ爆発的ヒット間違いなしだよ……!!)
ずんだ餅マッサージ……、これ爆発的ヒット間違いなしだよ……!!)
ず、ずん子ー!?
――……ッ!(ガシッ
きりたん!? ずん子にしがみついて何をする気なのだー!?
めたんとそらの力を持ってしても、ずん子を引き剥がすことはできません。
そんな中――魔法少女の姿のままのきりたんが、何かを決心したかのようにずん子の身体にしがみついたのです。
そんな中――魔法少女の姿のままのきりたんが、何かを決心したかのようにずん子の身体にしがみついたのです。
――みなさん! わたしに任せてください!
予想外の単語を耳にしたずんだもんが、思わずそれを復唱してしまいます。
しかし、セミのようにずん子に引っ付き、4つの砲口を地面に向けて構えるきりたんの姿は、確かに――大空へと、飛んでいけそうな感じでした。
しかし、セミのようにずん子に引っ付き、4つの砲口を地面に向けて構えるきりたんの姿は、確かに――大空へと、飛んでいけそうな感じでした。
――みなさんもずんねえさまにしがみついてください! このまま元の時間軸へ戻ります!
もがー! もがー!(ノ▽〃)
――3……2……1……点火!!(ゴゴゴゴゴゴゴ
きゃっ!?
『……うひゃあ! 身体が浮き上がって……!』
きりたんの砲口が唸りを上げます。
味噌の香りと共に撃ち出された高濃度のエネルギーが地面を強く叩き、彼女らの華奢な身体を、天へと向けて打ち上げたのです。
味噌の香りと共に撃ち出された高濃度のエネルギーが地面を強く叩き、彼女らの華奢な身体を、天へと向けて打ち上げたのです。
……ぷはぁっ!?ヽ(〃∀〃)ノ
あ! 息ができる!
あ! 息ができる!
『すごい! すごいですきりたんさま!
上空にタイムホールが出現いたしました~!!』
上空にタイムホールが出現いたしました~!!』
山頂付近から打ち上がった「きりたんロケット」は、400年前の空に確かな軌跡を残し――全員を連れて、元の時代へと帰還したのでした。
(――弓道場そば・石碑の前――)
ふわあ……(〃ω〃) 意識ごと持って行かれるところだったよー。
きりたん、ありがとう!
きりたん、ありがとう!
力を使い切ったのか、きりたんの変身が解けてしまいました。
慣れない気合を発揮したこともあり、彼女の目はいつにも増して眠そうです。
慣れない気合を発揮したこともあり、彼女の目はいつにも増して眠そうです。
お疲れさま、きりたん。
あとで、さっき思い付いたずんだ餅マッサージしてあげるからね!(≧▽≦)ゞ
あとで、さっき思い付いたずんだ餅マッサージしてあげるからね!(≧▽≦)ゞ
『しかしぉ、なんだったんでしょうねぇ、この石碑。
こんなものが弓道場の脇に埋まっていたなんてぇ、まーくつーですら気付きませんでしたよ~♪』
こんなものが弓道場の脇に埋まっていたなんてぇ、まーくつーですら気付きませんでしたよ~♪』
はぁ……、結局またエメラルドずんだ餅食べ損ねたのだー。
それは自業自得じゃない……。
なんにせよ、この弓道場にはまだまだ『秘密―ミステリー―』が隠されてるみたいね!
ワクワクしてきたわ!
なんにせよ、この弓道場にはまだまだ『秘密―ミステリー―』が隠されてるみたいね!
ワクワクしてきたわ!
『それにぃ、今回は解けた謎も1つありますしね~♪』(チラッ
ええ。そうね!(チラッ
……な、なんでみんな私を見るの?( ゚ω゚;)
…………あれを見るのだー。
スッと、ずんだもんが背の高い方の石碑(元餅碑)を指差します。
顔の高さのところだけくぼんでいて、あとの部分は「真っ平ら」な石碑を。
顔の高さのところだけくぼんでいて、あとの部分は「真っ平ら」な石碑を。
……そう。そっちの石碑の不気味な人の顔――。
ずばり! その正体は!
ずばり! その正体は!
えっ……!?( ゚ω゚;)
――その後、夜にこっそりと石碑を訪れたずん子が胸の部分に凹凸をつけようとして、文化財保存を心がけるうさぎたち巫女のお叱りを受けますが――
――それはまた、別のお話。
――それはまた、別のお話。
(第1話はこちら!→ http://togetter.com/li/320198 )
(前回:第83話はこちら!→ http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=411 )
(魔法少女編記事一覧はこちら! http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=59 )
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