階段の足音
この病院、今は移転してもうありません。
おっすおっす。
あらこんばんは。
・・・言わなきゃダメ?
・・・言わなきゃダメ?
正直言って欲しくないけど、習慣っつうか、無いとなんかこう・・・。
・・・。
どうしたの、緑色の顔して?
どうしたの、緑色の顔して?
いや、緑色なのは前からだから。
・・・。
・・・。
言ったら言ったで、なんか嫌なのよね・・・。
作者は俺達に何をさせたいんだ?
教えない。
うわぁ!
出た!
出た!
うるさいよ。
人を幽霊みたいに言いやがって。
お前は余計な事考えずに体験談を語ってりゃいいんだよ。
じゃ、任せたよ。
人を幽霊みたいに言いやがって。
お前は余計な事考えずに体験談を語ってりゃいいんだよ。
じゃ、任せたよ。
・・・何だってんだよ。
・・・。
で、今日はどうしたの?
で、今日はどうしたの?
ああ、うん。
この時期になると思い出すビミョーな体験。
この時期になると思い出すビミョーな体験。
階段の足音、ってそのまんまな話だったりする?
・・・まぁね。
もう15年近く前の話になる。
もう15年近く前の話になる。
うん。
当時、俺は仕事の都合で大阪に住んでいたんだけど、中国地方の実家に住んでる爺さんが救急車で運ばれた、っていう連絡が近所の人から来たんだ。
家族全員で病院に行っちゃったらしくてな。
家族全員で病院に行っちゃったらしくてな。
あらら・・・。
それで、お爺様はどうだったの?
それで、お爺様はどうだったの?
どうだったもこうだったも、洗面所で足を滑らせてちょっと頭をぶつけただけ。
タンコブ作った程度の話だったんだけど、気を失っちゃったんだな。
それで家族全員大慌て、って訳だ。
タンコブ作った程度の話だったんだけど、気を失っちゃったんだな。
それで家族全員大慌て、って訳だ。
何それ?
まぁ、何かと言うとバカ騒ぎする家系だから仕方無いよ。
俺もつられて新幹線に飛び乗っちゃってる訳だし・・・。
で、まぁ、一応頭を打ってるから、ってんで検査入院させられる事になったんだ。
俺もつられて新幹線に飛び乗っちゃってる訳だし・・・。
で、まぁ、一応頭を打ってるから、ってんで検査入院させられる事になったんだ。
うん。
なんだかんだで俺が病院に着いたのが23時過ぎ。
で、「なんだよソレ来て損した」とか言った所で、もうその日に大阪に戻る手段は無かったんだな。
で、間の悪い事に、停電が起きたんだ。
で、「なんだよソレ来て損した」とか言った所で、もうその日に大阪に戻る手段は無かったんだな。
で、間の悪い事に、停電が起きたんだ。
停電?
病院で?
病院で?
いや、病院がある地域で。
トラックが電柱に突っ込んで、電線を切っちまったんだな。
トラックが電柱に突っ込んで、電線を切っちまったんだな。
うへぇ・・・。
で、当時の職場ってのが24時間操業でな、夜勤の管理者が居るからとりあえず「明日は出勤出来ない」って連絡を入れようと思ったんだけど、病院の中で携帯電話はご法度だわな。
なもんで、とりあえず外に出ようと思ったんだけどエレベーターは停電のせいで止まってたんだ。
で、仕方ないから非常階段を使う事にした。
なもんで、とりあえず外に出ようと思ったんだけどエレベーターは停電のせいで止まってたんだ。
で、仕方ないから非常階段を使う事にした。
非常階段?
なんでまた?
なんでまた?
近くにあったから。
・・・。
まぁ、それで、だよ。
3階から1階まで階段を降りようとしたら、足音が聞こえるんだ。
3階から1階まで階段を降りようとしたら、足音が聞こえるんだ。
誰か居たんだ。
いや、居なかった。
え?
正確に言うと、見えなかった、だな。
その足音、上の階から聞こえたんだ。
その足音、上の階から聞こえたんだ。
なぁんだ。
誰かが降りて来てたのね。
誰かが降りて来てたのね。
・・・だと思ったんだ、俺も。
・・・どういう意味?
まぁ、聞けよ。
その足音、トントントン、ってスムーズなモノじゃ無くてな、トッ、トン、トッ、トン、って感じで、なんかこう、片足を引きずってるのかどうか、妙な響き方をしてたんだ。
ホラ、停電してるだろ?
だから、エレベーターが使えなくて、足が悪い患者さんが何かの用事があるもんだから仕方なく階段で降りてるんだろうな、って思ったんだ。
その足音、トントントン、ってスムーズなモノじゃ無くてな、トッ、トン、トッ、トン、って感じで、なんかこう、片足を引きずってるのかどうか、妙な響き方をしてたんだ。
ホラ、停電してるだろ?
だから、エレベーターが使えなくて、足が悪い患者さんが何かの用事があるもんだから仕方なく階段で降りてるんだろうな、って思ったんだ。
なるほどね。
で、まぁ、俺はそのままタタタタタッと階段を駆け下りて、1階のロビーで電話を済ませた。
うん。
で、再び非常階段から3階に戻ろうとした。
そしたら・・・。
そしたら・・・。
そしたら?
まだ足音が響いてた。
電話だけで、なんやかんやで5分近く過ぎてるのに、まだ降り切ってなかったんだな。
電話だけで、なんやかんやで5分近く過ぎてるのに、まだ降り切ってなかったんだな。
まぁ、足が悪いんなら仕方ないじゃない。
俺もそう思ったよ、最初は。
でもな、いくらなんでも遅過ぎる。
と言うか、さっきの音のペースなら、とっくに1階まで来ていて当然の筈なんだ。
なんかおかしいな、と思って、とりあえずちょっとゆっくり階段を上がり始めたんだ。
でもな、いくらなんでも遅過ぎる。
と言うか、さっきの音のペースなら、とっくに1階まで来ていて当然の筈なんだ。
なんかおかしいな、と思って、とりあえずちょっとゆっくり階段を上がり始めたんだ。
うん。
そうしたら、音の感じからしたら、相手は既に2階を過ぎて、こっちに降りて来てないとおかしいレベルで足音がトッ、トン、トッ、トン、って響いてるのに、姿が見えない。
それどころか人の気配そのものが無い。
それどころか人の気配そのものが無い。
・・・それで?
嘘だろ!?
と思って、1階と2階の間の踊り場で立ち止まってしまったんだ。
そうしたら・・・。
と思って、1階と2階の間の踊り場で立ち止まってしまったんだ。
そうしたら・・・。
・・・そうしたら?
トッ、トン、トッ、トン、トトッ、トトッ、トトッ・・・・・・、トッ、トン、トッ、トン、って。
足音だけが俺を避けるようにグルッと近くを通り過ぎた。
足音だけが俺を避けるようにグルッと近くを通り過ぎた。
・・・何よ、それ?
わからん。
その後はもう必死だよ。
3階まで駆け上がって、たまたま廊下で出会った看護師さんに、今あった事を話したんだ。
そうしたらな・・・。
その後はもう必死だよ。
3階まで駆け上がって、たまたま廊下で出会った看護師さんに、今あった事を話したんだ。
そうしたらな・・・。
そうしたら?
「あー、聞こえました?あの階段、夜になるとたまに歩いてる人が居るんですよね、見えないけど」って。
・・・。
・・・。
慣れ、って、怖いよね。
いや、ホントに。