ボカロ/ボイロ

Call to Call Ep1-6

ついに、縛りを放棄し始めた、この頃、やっぱ即興でやる縛りじゃなかった。

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モブ3
「・・・」
私は、切れた電話を忌々しそうに見つめるが、結果が変わるわけではなかった。
モブ1
「おい、まだか?いい加減待ちくたびれちゃうぜ。」
モブ3
「うるさい!少し黙ってて!」
ナイフをいじっていた男の声に、反射的にそう叫ぶ。
叫んでも怒りが収まらない。
モブ3
マキ様は、誰かのものになるような安い女ではないのに!ただ、ひたすら自由に空を飛び回る妖精でないといけないのに!!

私は結月のように、あなたを縛ったりはしないのに!何故わかってくれないの!
モブ3
最初に屋上への扉を開けた時、ネオンを背に空を飛ぶマキ様は、本当に妖精のようだったのに!

マキ様について知れば知る程、出てくるのは汚らしい金と!現実と!裏社会の関係ばかりだ!そして全ての裏には結月結月結月!!

マキ様がかわいそうだ!籠の中でしか飛べないなんて!
モブ3
父のお金で何とかする事も考えた!でも、資産家の父をもってしても結月の力には逆らえなかった。

力だ!所詮金や権力というのは純粋な力の前には、かなわないのだ!
モブ3
私は周囲を見渡す。ビルは町のはずれの再開発区に面している為、人も少なく、明かりもほとんどない。周辺のビルもやや離れた位置にあり、ポツンとした印象を受けた。
そのビルには、私が集めた20人近くの手勢。
銃こそ全員には行き渡ってないが、それでも、バットやナイフなどの扱いに長けた仲間が包囲している。

荒事に対し、抵抗のある者もいた為、人数は万全とは言えないが、どうせ逃げ場はないのだ、ゆっくり攻めればいい。
モブ3
こちらは20人以上、対して奴らは2、この人数差なら、すぐに決着はつく。

決着をつけた後、結月のみじめな姿をマキ様に見せれば、どちらの力が上かすぐ理解していただけるはず。
モブ3
そうだ、これで私はマキ様に認められる!
結月を倒し、私がマキ様の真のパートナーになるんだ!
モブ3
私は手を叩いて、突撃のハンドサインを出す。

20人と手勢は我先にと、立ち入り禁止の柵を越え、ビルの中へ突撃していった。
連中には極力殺さない事と、結月を最初に倒した奴には好きにする権利を出している。

殺さないだけだと弱いが、こうしておけば、連中も穴あきのチーズを抱く趣味は無いだろうから、簡単に殺したりはしないだろう。
モブ1
「やっとか、よしいくぜぇ!!へっへっへ、たかだか女2人やるだけで、金がたんまり、うちのリーダーは最高だぜ。」
モブ4
「一番乗りは俺だ!結月の娘とか、俺楽しみ過ぎてたまんねぇぜ!」
モブ1
「まったく、何が歌舞伎の名代だ、自分の所の娘が襲われそうなのに、全然助け1つこねーじゃねーか。所詮その程度ってことか。ま、好都合だけどな」
モブ3
明らかにガラの悪い会話が聞こえる。私がマキ様のパートナーになったら、こいつらも一掃してしまおう。

私たちならすぐに新しい仲間が増えるだろうし。
モブ3
中はエレベーターで各階を行き来するタイプのビルだった。
ボタンを押してみたが電源は入っていない。

となると、外に据え付けてあるコの字型の非常階段を使って4階に入っていく事になる。
足音を聞く限り、既にその事に気づき、登っているものもいる。
モブ3
突然、鼓膜を突き破りそうな爆発音が響いた。
頭がくらっとし、意識が飛びそうになる。

ふらつきながら外にを見ると、先ほどまで垂直に立っていた階段がピザの斜塔のように斜めにゆっくりと倒れてきている。

階段を上っていた連中は、衝撃で階段から吹き飛ばされた者、急いで階段を降りようとして、後続と転げ落ちてるもの、とにかく手近な階に入ろうとしてドアにしがみつくもの、いろんな人が見える。
しかし、爆発音で耳が壊れているのか、階段の倒れていく音、怒声、悲鳴、すべてが無音映画のように流れて行った。
モブ3
耳に音が聞こえてきた時、まず響いたのは、階段が地面に崩れ落ちる”ズドン”音だった。

次にそれによって起きた砂煙が視界を覆った。
モブ3
横に倒れた階段、そして、いくらか少なくなった悲鳴とうめき声、そして広がる赤と茶色の混ざった地面。

それは、突然都会に出現した地獄絵図のようだった。
モブ3
呆然としている私の横で、機械音がし、チーンという音とともに、悪魔が降り立った。
結月ゆかり
「あら、主犯格が無傷とは運がいいですね。調べる手間がはぶけました。」
モブ3
左手に透明な盾、右手にハンドガンを持ち、悠々とこの地獄を歩いてくる。
モブ3
「ゆづきぃぃ!!お前さえ!!お前さえいなければ!」
ハンドガンを構え、震える手で狙いを定める。
結月ゆかり
「うるさい、騒ぐな。」
モブ3
腕に横合いから勢いよく盾を叩きつけられ、痛みと衝撃で拳銃が弾き飛んだ。

痺れた腕を庇いながら、睨みつける。既にそれくらいしか出来ないが、屈してやるものか。
結月ゆかり
「マキさん、彼女を縛っておいてもらえますか。念のため周辺防御しておきますので」
モブ3
「何故、殺さないのっ!こんな屈辱受けるくらいなら、いっそ」
結月ゆかり
「簡単ですよ、あなたも知って、利用してきたはずですよ。お金持っているからです。正確にはあなたのお父さんが、ですが。
私たちはヤクザです、暴力を交渉に乗せてお金を稼ぐ集団です。あなたのくだらないプライドの為に殺しなんかやりませんよ。」
モブ3
「うぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
大声で叫びながら、地面をありったけの力で叩いていく。そうでもしないと、情けなさと怒りでおかしくなりそうだった。
結月ゆかり
「さて、流石に人を抱えて歩くには遠いし、アシの確保をしないといけませんね。」
モブ3
その時、視線の先のビルの部屋がぴかっと一瞬光ったような気がした。
モブ3
直後、バシュッと地面が抉れ、自分の足には、吹き飛んだプラスチックの破片が刺さる。
結月ゆかり
「しまっ!!」
モブ3
結月が叫び私の横へと回り込んだが、直後目の前で砕けた破片と、真っ赤な血、が広がる、そしてお腹への強い衝撃と共に私の視界は黒く染まった。