Call to Call Ep1-8
時系列が前後しまくるこの頃。
「これまた、派手にやられたなぁ。」
廃墟ビルの一室。推定ゆかりんを撃った奴が居た場所へと入り込んだ私は、鼻をつまみながらそう言うしかなかった。
コンクリートむき出しの床は、赤黒い水たまりで半分近く埋まっている。
その源泉は、おそらく、ここを根城にしていた、屋上の人らしき死体から流れていた。
コンクリートむき出しの床は、赤黒い水たまりで半分近く埋まっている。
その源泉は、おそらく、ここを根城にしていた、屋上の人らしき死体から流れていた。
全部で3人か、どれも胸のあたりに穴が開いている、周辺の焼け具合からも、かなり至近距離で撃たれた感じだ。
むせ返るような血の匂いにまたくらっとくる。
こんな中で、狙撃をしてのけたというの?犯人は。
むせ返るような血の匂いにまたくらっとくる。
こんな中で、狙撃をしてのけたというの?犯人は。
推定狙撃ポイントである、ガラスの無い窓から外を見る。
距離は、近くもないし遠くもない、1kmはなさそうな感じ。
そこそこ技能があれば狙撃は可能だけど。
距離は、近くもないし遠くもない、1kmはなさそうな感じ。
そこそこ技能があれば狙撃は可能だけど。
「弦巻、血だまりに足を入れるな。跡が残る。」
「おっと、ごめん。」
一緒に調査をしている、奥くんが、目ざとく指摘を入れる。足をどけると、靴に赤い血がべっとりと、くっついた。嫌な感じ。
一緒に調査をしている、奥くんが、目ざとく指摘を入れる。足をどけると、靴に赤い血がべっとりと、くっついた。嫌な感じ。
「しかし、奥くん冷静だね。私はこれでもいっぱいいっぱいだよ。」
「リーダーと参謀が一緒に慌てていても、進まないからな。俺だって、それほど慣れているわけでもない。」
「さすが参謀、助かるよ。そういえば、こんな血だまりだらけの中で、犯人って、足跡つけなかったの?」
「その辺の対策は抜かりないみたいだぞ。」
そういって、狙撃ポイントに置いてあるベットを指さしている。
足を見ると引きずった跡がある。この上に乗っかったのかな。
足を見ると引きずった跡がある。この上に乗っかったのかな。
「弦巻、薬莢を見つけた。」
そう言って奥くんは、血だまりで、半分赤くなったライフルの薬莢を持ってきた。
といっても銃に詳しい訳ではない私にはよくわからないけど。
といっても銃に詳しい訳ではない私にはよくわからないけど。
「うーん、犯人像が良くわからないなぁ。」
慎重にビニール袋に薬莢を入れつつつぶやく。
慎重にビニール袋に薬莢を入れつつつぶやく。
「屋上街が出来て、その辺の廃ビルには、住人が無許可で入っているからな。狙撃なんて手法を思いつくのは、この町の事情を知らないバカか、それでも生き延びれる自信のあるプロか。どちらかだ。」
「前者にしては手際が良すぎる。3人共至近距離で撃たれたっぽいし、普通3人に見つかったのなら叫ばれて他のビルの連中に気付かれるはず。」
「結月との協定で狙撃者を確保したものは、狙撃の目的問わず報奨金付きとなっているしな。個人で金の独り占めを狙ったというのもあるが。」
「にしたって、1人もやられれば、悲鳴や助けの1つは上げるでしょ。まして、ピンポイントで他の階に人が住んでないビルとか選べるもんじゃないよ。」
「そうだな、素人にしては、用意が周到すぎる。まして、ここに誘導したのも結月が当日決めたことだろ?」
「うん、となると確実なのは、佐倉と繋がっていた事か。その条件以外で、あの時間あそこに陣取る事は不可能だ。」
「しかし、プロとなると、何故、狙撃なんて手段をとったのかがわからないな。」
「そう、こと狙撃という手法に関しては、この町での難易度は他の街の比じゃない。地形こそ入り組んでるけど、完璧ではないとはいえ、そこら中に人の目があるし。」
「それこそ、ナイフで刺したほうがよっぽど簡単に事は運ぶからな。っと、撃たれたのは、佐倉に2発、結月に1発だったか。薬莢は2個しか見つからなかったな。見落としたか?」
「ありがと、3つは無かったのかぁ。
きっちり殺したところから、佐倉がターゲットとみていいと思うんだよ。遮蔽物もそんなになかったし、ゆかりん殺そうと思えば殺せたんだしね。」
きっちり殺したところから、佐倉がターゲットとみていいと思うんだよ。遮蔽物もそんなになかったし、ゆかりん殺そうと思えば殺せたんだしね。」
「結月を撃ってしまったのは想定外だったと、見るしかないな、その推理だと。」
「現状の材料じゃ、そう言わざる得ないなぁ。非効率な狙撃という手法に、想定外のゆかりんへの銃撃、うーん。やっぱりわからないな。」
「とはいえ、調べられるのは、こんなところかな。警察は?」
「結月の起こした、っと公式には工事現場の崩落だったか。そっちの対応に追われているよ。佐倉も崩落に巻き込まれて死亡ということになっているからな。」
「うまく階段塔だけ崩したしなぁ。相変わらずゆかりんの解体技術は極まってるよね。しかし、やらなきゃやられていたからってのはあるけど、随分ドライになったなぁ、私も。」
チンピラとはいえ、15人程度が、あの階段塔の解体の下敷きとなるのを目の前で見たはずなのに、感想があまりなかった。
人と言う括りだけで、自然に同情を出来るほど、もう心の余裕は無いのかもしれない。
ナイトメアストーム、明日の食べるものの事だけ考えて生きていた、あの頃を経験した今、そんな昔の人みたいな考えが出来る日がくるのだろうか。
人と言う括りだけで、自然に同情を出来るほど、もう心の余裕は無いのかもしれない。
ナイトメアストーム、明日の食べるものの事だけ考えて生きていた、あの頃を経験した今、そんな昔の人みたいな考えが出来る日がくるのだろうか。
「もっと酷い畜生は、今の世の中いくらでもいる。リーダーがそう自分を卑下していては、仲間はついてこないぞ。」
「うん、ありがと、奥くん。死体は結月の方でまとめてやってくれるみたいだから、私達はこのままお暇します。」
「このまま、戻って佐倉の残党の処理に入ろう。
ゆかりんのお見舞いしている暇があまりないのが悩みの種ではあるけど、頭を失って混乱しているうちに、残党処理はしておきたいし。
ゆかりんのお見舞いしている暇があまりないのが悩みの種ではあるけど、頭を失って混乱しているうちに、残党処理はしておきたいし。
「すでに非戦派の吸収は近隣のチームがやっている。後は過激派の何人かを潰せば終わりだ。さっさと終わらせよう。」
「早いとこ内戦終わらせてお仕事しないとね。貧乏暇なしと言うことで。」