教養

ぶらりと食べ歩く<緑にあふれた焼肉定食編>

緑というが、実際は紅葉なんだよなぁ。

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「どうして、こんなところにいるのだろうか。」
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汗をぬぐい周囲を見渡す。
山だ、しかも紅葉もやや散り始めてはいるものの、見る所を見れば十分色鮮やかな景観を楽しめる。天気もよく日差しもちょうど良い。絶好の登山日和だ。
ただ、惜しむらくは、当初私は登山をしようと思っていなかったということだろう。
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いや、1割くらいは、登ってもいいかなという気持ちはあったかもしれない。
ただ、2時間ほど散々自転車でぶらついた後に登るものではないな。とは今現在思っている。
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既に登って降りてくる登山者とあいさつをする。ストックに登山用の上着らしきものを着て、リュックもそれっぽい。

対してこちらは、スラックス、シャツ、靴に至ってはへたっていたから穿きつぶそうかな、と思って履いていたビジネスシューズだ。まさに何をしているんだ状態を体全体で表していると言えよう。そんないらない表現力とっとと捨ててしまいたい所だが。

道も舗装とは程遠く、獣道に砂利と木の根っこ、そして落ち葉により足場が悪いというレベルではない。当然柵などもない。
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だが、一度登り始めたのを途中で引き返す気にはならなかった。

かつて山を登る理由にそこに山があるからとか、そこに俺がいるからとか、色々言ってた人がいたらしいけど。今、私はそんな気分なんだという事にした。
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少し足を止め景色を見渡す。

随分上がってきたな。

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結構登山をしている人がいるのか、何人もすれ違う。道が広い所ばかりでは無い為、時に譲り合い進んでいく。

いかにも登山ルックな人から、タンクトップにジーパンとか言う人までいる。もう秋なんだがなぁ、いや人の事言えないけど。

それほど高い山ではないという事もあるのだろうけど。
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50分程時間をかけ、頂上までついた。とはいえ、頂上には見晴らし小屋がある程度であり、観光施設何て上等なものは無い訳だが。
やはり頂上に来ると妙な達成感はある。ちらっと時計を見ると昼の12時ちょい過ぎ、うん降りてお昼だ。

しばらく休んで、すぐ下りに入る。頭の中は何を食べるかで悩む態勢に入ろうとしたが、この悪路だと、下る方が神経を使うため、そこまで考えられる余裕が無い。

広葉樹のところは落ち葉が溜まり、滑りやすく。足元をよく見ないと、張り出した木の根に容易に足を取られてしまう。そう、私はお昼を食べるまでは死ねないんだ。

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そんな良くわからないハイテンションで降りてきたのはいいが、シャツはビショビショで、さすがにこれを着たまま飯屋に入るのはためらわれる。

幸い上着は暑いだろうと思って、腰に巻いていたので、濡れてない。
流石に往来で脱ぐわけにもいかないので、近くにあったトイレの個室に入り、シャツを脱ぐ。結構ずぶ濡れだ。ひんやりした空気が肌に感じられて気持ちいいが、外に出たら変態になってしまう。

タオルで体を吹き、静汗スプレーを吹き付ける。お風呂に入りたい所だけど、ご飯の欲求の前では、あまりにも無力。
それに家まで自転車という事を考えるとまだ早い。

腰に巻いてた上着を着て、ボタンを襟首までちゃんと締める。ちょっと息苦しいけど、見えるよりはマシだから、しょうがない。
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しかしこうなると、あまり人の多い所や待ち時間のある所には行けない。
これを食べたいというのがまだ決まってない事が功を奏した形になったが。

記憶を探り何か無かったか考える。そういえば、この前新しいカフェが出来たな。
定食屋もやってた気がする。駐車場が無かった店だったし、たぶん行ける。

田舎において、駐車場が無いというのは、そのまま死活問題になる為、穴場であることが多い。
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シャツを自転車のバックに入れ走り出す。

流石に足取りが重いが、普段からふらふら歩きまわっているおかげで、移動という事に関しては大分耐久力が伸びている。
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30分ほどかけて街中にある目的の店へとやってきた。

Cafe&Lunchと書いてある店の前には定食メニューの看板が立てかけてある。

中はガラスで外から見えるようになっており、やや昼時から外れたのか2~3人程度いるだけだ。よしOK。
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中へ入ると木目調のちょっとお洒落なテーブルや家具が置いてある。

店員は主婦の方だろうか。2名ほどで切り盛りしているっぽい。

とりあえず本日のおすすめの焼肉定食にした。
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しばらく置かれている雑誌を見ていると、小さいコップに緑色の液体が注がれたものが出てきた。

サービスの小松菜のリンゴのスムージーだそうだ。定食を頼んでスムージーがつくのか、ちょっと変わっている。

かなりドロドロしているが、ほのかに甘い。微妙に残っている氷のかけらが何となく家庭的な感じがする。
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スムージーを飲み干し、ほっと一息ついたところで定食が来た。

レンコンの炒めもの、味噌汁、小松菜のおひたし、メインの皿にもサラダが乗ってる。様々な種類の野菜が入っており、見た目にも鮮やかだ。

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味付けも薄味目になっており、くどくない。そんな中がっちり味付けされた焼肉がパンチを利かせている。

何か、全体的に家庭的な味だ。しいて言うなら、友達の家に御呼ばれされ、夜を食べる事になった際に食べるような。他人の家の味の感じと食べなれた実家の家の感じの中間を行くような。

そんなどこか懐かしさを感じる味だ。
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一通り食べ終え、食後のコーヒーをもらう。これもセットのうちだという。
その辺はカフェゆえの特典ということだろうか。

コーヒーの香りに何処か落ち着く。
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さて、もうちょいゆったりとしていたい所だけど、自分の格好を見ると、それほど悠長にゆったりもしていられない。帰るとしようか。

会計を済ませ自転車に乗る。がっつり食べたという感じではないけど、妙に満足感を感じた。