ファンタジー

真実 第1話 旅立ち

中学校の時に書いていたファンタジー漫画をリメイクして晒します。
ト書き
ここは山奥のへんぴな村。その名もヘンピ村。

この世界は魔王が支配しており、村人達は貧困生活を強いられていた。

これは、魔王に立ち向かう若者たちの物語である…
騎士(男)
暑い!!
賢者(男)
ぐだぐだ言わず働け、ルイよ。
騎士(男)
どうしてさ、父さん!
こうも毎日働いてばかりじゃ嫌にもなるよ!
賢者(男)
仕方ないのだ。
金がないのだから。
金がないのなら働くしか無いだろう。
騎士(男)
そりゃそうだけどさ。
賢者(男)
あまり逆らうと、魔王様の耳に入る。
そんなことになったら余計大変な事になるぞ。
だから黙って働け。
騎士(男)
…ねぇ、魔王ってどんな奴なんだよ。
賢者(男)
偉いお人だ。
私たちが毎日飯を食えるのも、魔王様のおかげなのだ。
騎士(男)
偉いねぇ…。
だったら、働かずに過ごせるようにしてほしいものだね。
賢者(男)
お前はまだまだ子供だからわからんのよ。
労働こそ最大の喜びなのだ。
騎士(男)
ちえっ…
大人になるって、働きアリになるって事かよ…
賢者(男)
なんか言ったか。
騎士(男)
別に。
賢者(男)
そういえば、リーネがお前のことを探していたぞ。
騎士(男)
リーネが?
なんだ珍しい。
賢者(男)
納屋の方にいたぞ。
行ってやれ。
騎士(男)
お、ラッキー。
じゃ、父さん、この薪運びよろしく!
賢者(男)
あ、こら!馬鹿者。

…行ってしまった。全く、逃げ足だけは早い…
ト書き
ルイは、家の隣にある納屋に足を運んだ。

中は古びてガラクタにまみれている。
窓からの明かりに映るほこりが人気のなさを際立たせていた。
騎士(男)
うわっぷ…きったねぇなぁ…

おーい、リーネ!
結月ゆかり
あ!おにーちゃん!
がはごほげへ
騎士(男)
なにやってんだよ、こんなとこで。
結月ゆかり
えへへー
騎士(男)
なんだよ気持ち悪い。
結月ゆかり
じゃーん!!
ト書き
リーネは、ほこりにまみれた紙を取り出してルイに見せた。

所々がはげていて、今にもやぶれそうだ。
騎士(男)
なんだそれ、汚ぇなぁ。
結月ゆかり
いいからよく見て!
騎士(男)
なんだよ…

地図…?
結月ゆかり
そう、地図よ!
騎士(男)
見たこと無い地名ばかりだな。
結月ゆかり
そーなの!すごくない!?
騎士(男)
何が?
結月ゆかり
だってさ、地名があるってことはさ、そこに人が居て、町があるってことだよ!
騎士(男)
いや、あたりまえだろ。
結月ゆかり
ホントに当たり前?
騎士(男)
えっ?
結月ゆかり
だってさ、私達、ほとんど村の外に出たこと無いじゃない。

精々トナリの町ぐらいでさ!
騎士(男)
そりゃなー。仕方ないよ。
結月ゆかり
お兄ちゃんは、それで満足なの?
騎士(男)
えっ?
結月ゆかり
ね、見たいと思わない??
騎士(男)
何を。
結月ゆかり
この地図に載ってる世界よ!
文字でしかわからないこの世界を、肌で感じてみたくない??
騎士(男)
まぁ、そりゃ…

でも、無理だよ。
結月ゆかり
なんで?
なんで無理なの??
騎士(男)
なんでって。
仕事があるだろ。
結月ゆかり
いいじゃん、投げ出しちゃえば!
騎士(男)
アホか!!
結月ゆかり
…あたし、こんなに毎日朝から晩まで働かないとやってけないのおかしいと思ってるの。

それも、何もかも、魔王がいけないと思うの。
騎士(男)
…まぁ
結月ゆかり
だからさ、旅に出て、魔王に会いに行こうよ。
騎士(男)
!?
結月ゆかり
魔王に会って話をするの。
こんなに毎日働かなくていい世の中にしてほしいってお願いするの。
騎士(男)
頭大丈夫か?
今日は暑いからな。
水飲めよ。
結月ゆかり
ねぇ、お兄ちゃんはこのまま働き続けて死んじゃって、満足?
騎士(男)
いや、そんなことあるわけないだろ。
結月ゆかり
じゃ、何かやってるの?
騎士(男)
いや、それは
結月ゆかり
ね、行こうよ。
何かが変わるかもしれないよ。
それが旅だよ。
騎士(男)
いや、おかしいだろ!?
父さんどうすんだよ!
賢者(男)
話は聞いていたよ。
騎士(男)
聞いてたのかよ!!

いきなり出て来んなよ!!びっくりしたわ!!
結月ゆかり
ね、お父さん、行かせて。
お願い。
騎士(男)
いいわけないだろ!
賢者(男)
よかろう。
騎士(男)
いいのかよ!!
結月ゆかり
やったぁ!!
話が早い!!
騎士(男)
早すぎだろ!!
賢者(男)
その地図は、お前達の母さんの持ち物だ。
騎士(男)
!?
結月ゆかり
!?
賢者(男)
生前、母さんが故郷から持ってきたものだ。

…そうか、そんな所にあったのだな。
結月ゆかり
お母さんの…
騎士(男)
賢者(男)
母さんも、お前と同じ事を言っていたよ。リーネ。
結月ゆかり
えっ
賢者(男)
こんな世の中はおかしい。
強い者が弱い者を虐げる世界はおかしい、とな。
結月ゆかり
母さん…
騎士(男)
……
賢者(男)
父さんは大丈夫。うまくやるさ。

付き合ってやれ、ルイ。
騎士(男)
いや、ちょっと…まいったなぁ…
結月ゆかり
準備は出来てるから、すぐ出発出来るよ!
賢者(男)
わしもこんな事があろうかと、教会でお守りのロザリオをもらってきた。持っていけ。
騎士(男)
用意良すぎだろ!!

…わかったよ。
賢者(男)
夕飯までに帰るんだぞ。
騎士(男)
帰るかー!!
結月ゆかり
大丈夫。魔王とお話したら、すぐに戻ってくるよ。
ね、お兄ちゃん。
騎士(男)
二度と帰れる気がしない条件だな。
賢者(男)
次に会うときには、いい世の中でな。
結月ゆかり
うん!
ト書き
こうして2人は旅に出ることになりました。