四兄妹物語 3
オリキャラ四兄妹の日常を面白おかしく書いてます。
1話→ http://inove.jp/ivsid2626
2話→ http://inove.jp/ivsid2628
キャラクターアイコンの使用許諾は『似顔絵メーカー CHARAT(キャラット* https://charat.me/ )』さんから頂いております。
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ある日の夕方。
町の公園にて――
町の公園にて――
クゥーン……
(吾輩は犬である。名前はまだない)
(吾輩の額には生まれつき大きなギザ模様の傷がある。
それを気味悪がられて、こんな所に捨てられてしまった。
その事について恨みはないが……)
それを気味悪がられて、こんな所に捨てられてしまった。
その事について恨みはないが……)
(腹の鳴る音)
(……ここに来て一週間。そろそろまともなメシが喰いたい……)
賑やかな子供達の声が響いている。
(人間の子供はのんきでいいな。犬の俺は大変な思いをしているというのに)
(……ってあれ? 何かこっちの方へ飛んでくるぞ……?)
ドオオン!!!
!?
彼の近くに飛んできたのはサッカーボールであった。
何者かが蹴ったボールは、時速200キロ。
新幹線並みのスピードで宙を駆け、彼の顔の真横をすれすれで通り、後ろにある巨木に衝突したのだった。
新幹線並みのスピードで宙を駆け、彼の顔の真横をすれすれで通り、後ろにある巨木に衝突したのだった。
(クレーター! 月のクレーターみたいなのが出来てる!!
な……何だったんだ今のは……!?)
な……何だったんだ今のは……!?)
おーい、どこ蹴ってんだよ! あかりー!
エヘヘッ。ごめんごめ~ん!
(こ……こんな子供があんなボールを打ったのか!?
そんな小説みたいな事が現実に起きるのか!?)
そんな小説みたいな事が現実に起きるのか!?)
!
……
(ニカッ)
ヒッ!!
(何だ……!? この面倒な奴に目をつけられた感じは……!?)
彼女は友達に呼ばれてその場を後にした……。
その時は若干ホッとした犬だったが……
その時は若干ホッとした犬だったが……
数十分後。
彼女はまた戻ってきて――
彼女はまた戻ってきて――
よし! 行こう!
(どこへ!?)
わたしの家!
どうやら少女は犬を飼うつもりのようだった。
(それはそれで有り難いけど……、
何か嫌な予感がするのは何故なんだ!?)
何か嫌な予感がするのは何故なんだ!?)
住宅街を歩いて5・6分。
見えてきたのは、何てことない3階建ての一軒家。
見えてきたのは、何てことない3階建ての一軒家。
ここが家!
入って入ってー!
入って入ってー!
(し、失礼します……。
って、俺このまま入って大丈夫なのか?)
って、俺このまま入って大丈夫なのか?)
少女に促され、渋々家へ上がる犬。
今日からここがあなたの家だからね!
でも、いきなり犬を飼うって言ったら、
ナミ姉達もビックリするよね
ナミ姉達もビックリするよね
……そうだ! いいこと思いついた!
少女はドタドタと階段を駆け上がり、パーカーとズボンを持ってきた。
そしてそれを犬に着させると……
そしてそれを犬に着させると……
今日からアナタが大和颯士だ!
(無理があるだろ!?)
これから何を言われても、
ソウ兄として対応してね!
ソウ兄として対応してね!
(無茶ゆーな!!)
ただいまー
(誰か帰ってきた!!)
あれ? 灯李?
その犬は……
その犬は……
何言ッテルノ、タイ兄。
ソウ兄ダヨ。ソウ兄ニ決マッテルジャン
ソウ兄ダヨ。ソウ兄ニ決マッテルジャン
(こ、こいつ……)
颯士? ……お前、颯士か?
ワ、ワン
おおホンマや! 颯士やな!
(えー!? 通じちゃうの!?
こいつらにとっての【ソウシ】とやらは一体……!?)
こいつらにとっての【ソウシ】とやらは一体……!?)
(仮に本人が帰ってきたとして、
どう対応すればいいんだよ)
どう対応すればいいんだよ)
ただいま
(本人っぽいの来たーっ!!)
……何、その犬
え? ソウ兄だよ?
ねえ。タイ兄
ねえ。タイ兄
そうやぞ颯士。
こいつは颯士や
こいつは颯士や
……
兄妹二人が知らない犬を自分呼ばわりしている。
もちろん、颯士本人にもツッコミたい事は山程あったが……
もちろん、颯士本人にもツッコミたい事は山程あったが……
ああ。俺だわ
(本人ーーっ!!)
色々めんどくさいので、スルーした。
(本人ですら匙を投げるなんて……。
誰かこの騒ぎを止める奴はいないのか!?)
誰かこの騒ぎを止める奴はいないのか!?)
ただいま~
(どんだけ来んの!?)
スーパーで特売セールだったのよ。
今日は腕によりをかけて料理を……
今日は腕によりをかけて料理を……
……何、この大量の足跡。
で、何その犬
で、何その犬
ソウ兄だよ
そう! 颯士や!
…………
ああ、なるほど。
確かに颯士ね
確かに颯士ね
……って、そんなワケないでしょう!!
(ようやく突っ込んでくれた!
この人はちゃんとしてる!)
この人はちゃんとしてる!)
数分後。
リビングに正座させられる三人。
リビングに正座させられる三人。
なんで俺まで……?
さあ説明してもらいましょうか?
これは一体どういう事なの?
これは一体どういう事なの?
それは、その……。
灯李が勝手に……
灯李が勝手に……
……ナミ姉!
わたし、この子(犬)飼いたい!
わたし、この子(犬)飼いたい!
そうは言ってもね、灯李。
いきなりは無理よ。お金もないし……。
それに、その傷……
いきなりは無理よ。お金もないし……。
それに、その傷……
(やっぱりな。この傷に怖がらない奴はいない)
えーなんで? カッコいいじゃん!
(……!?)
(俺の傷をカッコいいなんて言う人間、
初めて見た)
初めて見た)
確かに男前やなぁ。灯李ええこと言うわ
おめえはどっちの味方なんだよクソ兄貴
でも姉さん。『いきなりは無理』って、別に飼う事自体は反対してないって事だよな?
それは……
……じゃあ!
……灯李がちゃんとお世話できるなら、飼ってもいいわよ
ヤッター!
……良かったな。灯李
ただし、エサ代は当分皆のお小遣いから引くからね
やっぱりソイツ河川敷に捨ててこい!
あんたはどっちの味方なの!
これからヨロシクね、イナヅマ!
イナヅマ?
この子の名前だよ!
傷が稲妻みたいだから!
傷が稲妻みたいだから!
(……イナヅマか。悪くない名前だな)
(この家族の下でなら、安心して暮らせそうだ。
こちらこそヨロシクな、ご主人)
こちらこそヨロシクな、ご主人)
これからわたしの「弟」として、いっぱいこき使ってあげるから
覚悟しといてね! イナヅマ!
覚悟しといてね! イナヅマ!
(やっぱり出ていきたい! こんな家!)
こうして大和家に、新たな家族が加わった。