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LOVE魔王 第2話

タグ:LOVE魔王 魔王ふたり

小日本(こにぽん)
南の海……だな。
ついなちゃん
この地方は日差しの強さが違うねえ。
小日本(こにぽん)
透き通った海、白い砂浜、飛び交う海鳥たち……。
ついなちゃん
さすが南の王国。ヴァカンス気分を味わえるねえ。
小日本(こにぽん)
なぜ我らはこのような場所にいるんだ!
ついなちゃん
北の王国にいくはずだったのにねえ。
小日本(こにぽん)
また、私の移動魔法がちゃんと発動しなかったのか。
ついなちゃん
よりにもよって大陸の正反対の場所に来ちゃうとはね。
小日本(こにぽん)
どうも近頃、我らの能力が劣化しているようだな。
ついなちゃん
メンテナンスが仕事の私たちにもメンテナンスが必要のようだねえ。
小日本(こにぽん)
言語能力に異常が出てるものもいるしな。
近年のハードワークがたたったか。
ついなちゃん
私たち、「O・N・I」もストレスには勝てないねえ。
小日本(こにぽん)
仕方ない。お前の移動魔法で……。
ついなちゃん
せっかくだから、ここでしばらく息抜きしよう?

いくら私たちでも休息が必要さ。
小日本(こにぽん)
確かに北の問題はまだ猶予があるが……。
ついなちゃん
北の王国のアイスも楽しみだけど、南の王国のジュースも絶品だからね。
小日本(こにぽん)
しかし、他の仲間が働いているときに我らだけ休むというのは……。
ついなちゃん
あいつらだって休めるときに休んでいるさ。
休息も仕事のウチ、ってね。
小日本(こにぽん)
うーむ……そうだな、数日のことだし。
息抜きも必要だろう。
ついなちゃん
いいね。
なら、今からはデート気分ということで。
小日本(こにぽん)
はしゃぐな。ひとが見てる。
ついなちゃん
あんな子供の目を気にして。
じゃあ、ふたりきりのときを楽しみにさせてもらうよ。
小日本(こにぽん)
やれやれ。
琴葉 茜
おねえちゃんたち、ちょっといい?
ついなちゃん
ん? なんだい?
小日本(こにぽん)
どちらもおねえちゃんという年でもなかろう。
ついなちゃん
そういうこというと心が老けるよ。
琴葉 茜
もしかして、おねえちゃんたち魔法使ってた?
小日本(こにぽん)
失敗だったが、まあ、そうだ。
琴葉 茜
魔法に詳しいひと?
小日本(こにぽん)
まあ、一応。
ついなちゃん
魔法で聞きたいことでもあるのかい?
琴葉 茜
うん。私、生まれつき使える魔法があるの。
それがどういうのか知りたくて。
小日本(こにぽん)
生まれつき魔法が使える?
ついなちゃん
そんなの知らないなあ。

おじょうちゃん、ホントにそれ、魔法なの?
琴葉 茜
よくわかんない。
小日本(こにぽん)
これくらいの年頃は自分に不思議な力があると夢想したりするものだ。
ついなちゃん
あはは、身も蓋もないなあ。
琴葉 茜
小日本(こにぽん)
しかし無下にもできまい。

その魔法とやら見せてもらえるか?
琴葉 茜
うん。

じゃあ、危ないからちょっと離れて使うね。
ついなちゃん
うんうん、わかったよ。
小日本(こにぽん)
どのような魔法であろうと、我らを傷つけること能わんのだがな。
ついなちゃん
優しい子なんだよ。
琴葉 茜
いくよー?
小日本(こにぽん)
いいとも。
琴葉 茜
ううーん!
ついなちゃん
小日本(こにぽん)
あの娘の周囲が……空間が……!
ついなちゃん
濁っていく?!
琴葉 茜
はあ、はあ……なにかわかったー?
小日本(こにぽん)
すぐに消えたが……アレはいったい?
ついなちゃん
魔法やスキルの類じゃないのは確かだけど。
琴葉 茜
どうだった?
小日本(こにぽん)
うーむ。
見たところ、なんらかの害はないようだが……。
ついなちゃん
周囲への影響もないね。
琴葉 茜
ねえねえ、すごい魔法だった?
小日本(こにぽん)
見た目が変化する以外はまったく無意味なものに思えるが……。
ついなちゃん
なんだか無性に気味が悪いなあ。
琴葉 茜
やっぱり危ないもの?
小日本(こにぽん)
そんな心配は無用だが、得体のしれないものだからむやみに使わぬほうがいいだろう。
琴葉 茜
そうなんだあ。
ついなちゃん
まあ使う機会なんてないだろうけど。
小日本(こにぽん)
普通に毎日過ごしていくうちに消えてしまうだろうから、
気にせず放置しておくのが良いだろう。
琴葉 茜
うん、わかった。ありがとう。

私、いくね。ばいばい。
ついなちゃん
じゃあね。
小日本(こにぽん)
適当な言葉で誤魔化したが、これで良かったのだろうか?
ついなちゃん
害がないのは違いないんだけど、なんか不安よね。
小日本(こにぽん)
万が一の用心に、あの子供、消してしまうか……?
ついなちゃん
そこまででもないでしょ?

それにもしなにかあっても私らが出張ってくれば即、解決出来ちゃうしね。
小日本(こにぽん)
お前は子供に甘くないか?
ついなちゃん
ただの常識的判断だよ。

むやみに存在を消去するなんて、もしものときに困るかもだしね。
小日本(こにぽん)
それもそうだ。

ここ最近、世界に異変が多すぎる。
神経過敏になっていたのかもしれぬ。
ついなちゃん
だからこそ、私たちも休息が必要なのさ!

さ、デートの始まりだよ。
小日本(こにぽん)
わかったわかった。
ついなちゃん
南の王国だと、さすがに私たちの活動をおおっぴらに出来ないから
多少の自重はしないとだけどね。
小日本(こにぽん)
南の魔王がいるからな。
ついなちゃん
他の魔王ならどうってことない相手だけど、あいつだけは別だものねえ。
小日本(こにぽん)
いろいろな意味で「狂った」存在だからな。
ついなちゃん
オマケに「始まりの魔王」にして「最後の魔王」って、設定盛りすぎだよ。
小日本(こにぽん)
仕事でも二度と会いたくない相手だな。
ついなちゃん
やめやめ。
ヴァカンス中に思い出すべき相手じゃないよ。
小日本(こにぽん)
その通りだな。
ついなちゃん
さあ、とりあえずジュースを一緒に飲んで、浜辺の散策をしようじゃないか。
小日本(こにぽん)
そうだな。
ついなちゃん
時間は無限にして有限、なんだから。
ト書き
続く。