【小説の未来を考える】携帯小説の次に来る新しい形!Twitter小説!
紙媒体と電子媒体の読み物の流行り廃りを見ていくと、「腰を据えてじっくり読みたい紙媒体」「出先やベッドの上でさっくり読みたい電子媒体」という風に分けることができるかもしれません。その点twitter小説は、「アイコンで誰が喋っているかすぐ分かる」「画像添付で状況の描写が不要」「会話メインの進行」という意味で、さっくり小説に必要な色んな要素を持っているのです!やったー!
(――とある平日の朝、東北家――)
うわごとのように「学校……学校……」と呟きながら、きりたんが東北家の廊下を漂っています。元々目つきのいい方ではない彼女ですが、今朝はそれにもまして、見事なまでの寝ぼけ眼でした。ほとんど覚醒していない意識で、きりたんは流れ作業のように洗面台に向かいます。
這うようにしてサニタリールームに入ったきりたんの額が、人肌のように柔らかい、なにか大きなものにぶつかりました。その感触、そして目の前の着物の柄に見覚えがあったきりたんは、不思議そうな顔をして立ち止まり――。
『……………………』(クルッ
――振り返った「イタコ姉さま」の形相を見て、一瞬にして、意識を覚醒させました。
――…………ぽっ…………。
――東北地方の寒空に、幼女の絶叫がこだましました。
(――同時刻・ふるさと女学院――)
うさぎが突然立ち上がったことで、彼女の髪留めについている大きな鈴が、りん、と鳴ります。転校してきたばかりで窓際の最後列に座っている彼女は、真剣な眼差しで窓の外を眺めていて、ずん子の問いかけは聞こえていないようでした。
ふふっ……甘いわね、そら。あなたの中にある「パニック映画」のストーリーを参照してみなさい。『世界の理』に起きる異変の『予兆――アウェイクニング――』は常に、まず些細な変化が同時多発的に観測されるものなのよ!
真剣そのものの表情で、うさぎが教室の出口へと向かいます。当然、めたんがそれを黙って見ているはずがありません。
わたくしも行くわ! ふふっ、今日からいよいよセカイ系ライトノベル『魔法少女まじかる☆めたん ――漆黒編――』の幕が上がるのね……! そら、ノンフィクション大作映画のカメラマンにあなたを指名するから、ついてきなさい!
えー!?∑(゚д゚;) さ、三人とも待って……あああさっきから先生の視線が……! それにイタコ姉さまもきりたんもいないから、鍵がないと私の家には入れな………………んんん!?(´゚д゚`)
必死で呼び止めるずん子に向かって、めたんが爽やかな笑顔でサムズアップを返します。まるで手に入れたおもちゃを大人たちに見せびらかす子どものように屈託のない彼女の笑顔の右斜め上で、彼女のパートナー武器「ハイド」のドリルが、豪快に回転していました。
(――数十分後・東北家玄関――)
ずん子たち四人は、大急ぎで東北家へと帰ってきました。もちろん、扉の鍵はずん子が持ってきています。
『うさぎさまの仰るとおりです~♪ この数値はぁ……あ、ご近所のおばさま達ですねぇ~♪ イタコさまたちと同じ部屋でぇ、何か……集会? のようなものをぉ、してるみたいです~♪』
ああ、うん。めたんちゃんの食べ物センサーなら間違いないね……(;゚∀゚) それに、さっきから私も頭がくらくらするような……。ま、まさか、本当に何かあったってことなのかな!? しかもご近所の人たちまで巻き込んで!?
「今すぐなんとかしなきゃ!」と勇んで、ずん子が鍵穴に鍵を差し込み、捻ります。そして彼女は、ドアノブを掴み、玄関の扉を開け、家の中に踏み込もうとして――。
……………………っ!
突然動きが鈍くなり、うわごとを呟き始めたずん子の異変を察知して、うさぎが手にした幣を振ります。りん、と彼女の髪が揺れて、清らかな空気が、ずん子の身体を包みました。
あ、危なかった……(;´Д`) ありがとう、うさぎちゃん。それとなんでめたんちゃんはピンピンしてるの……?
護符を受け取って、四人は家の中に入ります。甘いハチミツの匂いが彼女らを包みますが、他の点に関しては、ごくごくいつもの東北家の廊下です。地球外生命体が跋扈していたり、なんかやけに暗かったりといった視覚的な異変は、どこにもありません。――――と、思っていたところでした。
『――――お肌にうるおいを! まるで少女のようなぷにぷにの肌を! 古代エジプトの技術が、日本の冬を快適にするにゃあ!!』
『…………そこっ! にゃあ!!』
ばたーん! という大きな音を立てて、リビングの扉が開かれます。すると、障気のようなハチミツの匂いが一層濃く、強くなり――。
――中には、ハチミツをパックのように顔に塗りたくって、目の周りにとても濃いアイシャドーを引いた、半裸のイタコ姉さまが仁王立ちしていました。
イタコ姉さま(クレオパトラ)がそう叫ぶと、リビングで彼女の周りに跪いていたおばさんたちが一斉に沸き立ちます。よく見なくても、彼女たちの顔にはハチミツのパックがなされていました。どうやら、クレオパトラの布教によるもののようです。
きりたん!? それにしのびちゃんまで!?∑(゚◇゚ノ)ノ す、凄まじいカリスマだねクレオパトラさん!
……………………これはカリスマではない。呪力……のような特別な力によるもの。たぶん、この匂いを嗅いだ者たちに作用する。
高笑いをしていたクレオパトラの表情が、途端に厳しくなります。彼女は「信じられない」といった表情で硬直すると、頭をぶんぶん振って、ずん子たちの方へと寄ってきました。
そして、額に青筋を浮かべ――めたんと、そらさんを指差しました。
わたくしも、能力使って代謝をコントロールできるし。元はと言えば、夏にロリータ服を着るための能力だけど。
『お二人ともぉ、おかえりなさい~♪ 無事に洗脳が解けたみたいでよかったです~♪』
――洗脳? あ、そうですそうです! 洗面所で『日本の冬は乾燥するにゃあ……』とか呟きながら古代エジプトみたいな濃い化粧してるイタコ姉さまに「日本海側はそうでもないですから! むしろ湿度高いですから!」って反論したら……急に意識が遠くなって……。
ご、ごめんなさいですわ……( ;∀;) 洗面台に隠しておいた化粧品がなくなっ……じゃないですわ、ちょっと気まぐれで呼び出したクレオパトラさんが、日本の気候を知らないばかりに……(;-ω-)ゞ
しのびちゃんも面倒ごとに巻き込んじゃってごめんね(ノ∀`;) …………ってあれ、いない……。もう帰っちゃったのかな……。
リビングからぞろぞろ出てくる近所のおばさんたち一人一人にお詫びを終えたずん子が、部屋の中に残っているはずのしのびに声をかけましたが、部屋はすでにもぬけの殻。誰もいません。その代わりに、リビングの中央付近に、「どさどさ」と、ものが落ちる音がしました。
軽い調子で化粧品を手に取り、パッケージの裏に書いてある説明書きを読もうとしためたんが一瞬で気を失います。それもそのはず――。
――た、高い……!? 化粧品ってこんなに高いんですか……?
ち、ちちちちちち違いますわ!?プルプル((( ゚д゚;)))プルプル け、決して月ごとの生活費をちょろまかしていたわけでは……。あ、ほら! ずんちゃんの!! ずんちゃんの可愛さを写真で鮮明に写すための!! そのサンプルですわ!!
ああっ・゚・(*ノДノ)・゚・ ずんちゃんの目を直視できない……!
やはり五人とも女の子です。瞳を輝かせてうずたかく積まれた化粧品の山に集まると、ああでもないこうでもないと言いながら試用を始め――もりもりと、量を減らしていきました。
(――同日夜・「ふるさと女学院」屋上――)
『…………それで、彼女らの弱点を観測するために保湿クリームの類を盗み出したのはいいが、自分もクレオパトラの呪力にあてられ、「召霊」のことはほとんど覚えていない、と……』
『乾燥は女の敵だからな。必死にもなる。それで、盗み出した美容品はどうした?』
『……そ、そうか。……まあいい。今日得られた成果はレポートにして後ほど送れ。引き続き頼むぞ。三ツ星輝く新世界のために』
合い言葉を叫んで、しのびが通信を切ります。氷点下の外気に晒されながら、それでもなお、彼女の肌は女子高生特有のハリとツヤを維持していました。
――翌日、勝手に授業を抜け出した上にお肌がツルツルになって帰ってきたずん子たち一行に対し、貼り付けたような笑顔を浮かべた女性教師(年齢不詳)の補習が炸裂しますが、それはまた、別のお話。
――おわり―― (※今回もまとめのコメント欄にて感想をお待ちしています! また、まとめのコメント欄にずん子のイラストを投稿してくださる方も募集中です! コメント欄に投稿していただいたイラストに限り、公式から転載させていただく可能性がありますので予めご了承くださいね。)
次回はこちら http://inove.jp/ivsid1425









































