オタク式ダイエット~痩せないダイエットは卒業だ!~
インドア系のオタク趣味を持つ人々には往々にして不健康なイメージが伴いがちですが、決してそうとは限りません。福岡から仙台まで徒歩で帰ってきたデュエリスト、スポ根アニメを見て実際にそのスポーツを始めちゃう人々がおります。そしてなにより、毎週末のようにすさまじい運動量を誇る「あのタイプのオタク」になれば、あなたも健康的なオタク生活間違いなし!
(――「ふるさと女学院」通学路――)
ま、待てーっ!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。 http://tohokuzunko.blog.fc2.com/blog-entry-41.html
朝。登校途中にあわもを見つけたずん子が、彼女を追いかけていました。しんどそうなずん子とは違い、褐色の少女はまだまだ余裕の表情。二人の身体能力の差がはっきりと現れています。
適当な民家の塀の上に腰かけ、しなやかな脚をぷらぷらと揺らしながらあわもがずん子を煽ります。この一言を言うためにわざわざリスクを冒して戻ってきたようです。
念のため付け足しておきますが、ずん子が太ったというのはあくまで年頃の女の子目線での話です。実際はそんなに変わってない――はずです、きっと。
ずん子がショックを受けた隙を突いて、あわもが人一人通れるかどうかといった狭さの路地裏へと身軽に飛び込みました。
そうはさせじと、ずん子も彼女のあとを追おうとしますが――、彼女の身に待っていたのは、なんとも残酷な現実。
文句を言いながらも、めたんは愛用のドリル「ハイド」を操作して、ずん子が引っかかっている塀をちょっとだけ削り取ってやりました。
そう。「馬肥ゆる秋」本番はまだまだこれから。それに、お餅のシーズンである冬も待ち受けています。ずん子個人での体重管理が困難であることを察しためたんは、溜息をついて携帯を取り出しました。
――こうして、ずん子のダイエットトライアルは「ある人」の手に委ねられたのでした。
(――後日、仙台サンプラザ・夕方――)
おお、ずん子くん。……なんだ、しばらく見ないうちにずいぶんと……、その……、肥えたな。 http://tohokuzunko.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
ずん子がめたんの指示どおりに待ち合わせ場所に顔を出すと、そこにはつるぎが待っていました。普段のとげとげしい雰囲気はどこへやら、彼女はやや浮かれた様子で、ずん子に向かって手を振ります。
凛と笑ってずん子を導くつるぎは、足取りも軽くサンプラザへと向かっていきます。建物の周辺には、似たようなシャツを身につけた人々が、つるぎと同じような表情で待機していました。
つるぎは不敵に笑うと、手提げバッグ(会場限定)からハチマキ(ツアー限定)とハッピ(ツアー限定)、そしてずん子に渡したTシャツ(会場限定)を豪快に取り出し、目にも留まらぬ早さで着替えます。そうして、彼女は一人の戦士(会場限定)へと変化するのです。
(――会場内――)
――それは、完全に未知の世界でした。
曲に合わせ、日本語では表現できない絶叫をあげるつるぎを見て、ずん子が戦慄します。ろくな説明も与えられないまま、ずん子は狂乱の薄の最中に放り込まれたのでした。
見よう見まねでサイリウムを振り回しながら、ずん子はヤケクソになっています。
つるぎは汗だくです。ずん子も、サイリウムを振る肩や背中、声を出すときの腹筋、そして跳ねるときの両足と、確実に自分の筋肉が頑張っているのを感じていました。
~♪←イントロ
元々雰囲気に流されやすいずん子です。知っている曲をきっかけにすれば、ライブに呑まれていくのも自然な流れです。足腰のバネを使って飛び跳ね、力強くサイリウムを突きだし、腹の底から声を出して、全身で音楽を楽しむずん子の姿が見られるようになるまでに、そんなに時間はかかりませんでした。
――こうして、ライブは更けていくのでした――。
(――東北某所・キャパ150程度のライブハウス――)
(――関東遠征・横浜の某コンサートホール――)
(――福岡遠征――)
某アイドル「いっかーい!」
(――一ヶ月後・「ふるさと女学院」教室――)
めたん、そら、うさぎに向かって、ずん子が楽しそうにファンクラブの会誌を見せつけています。すっかりハマってしまっているようです。
インディーズから大手まで、そして東北に限らず全国ツアーを追いかけ、ライブがない日は自宅でBD、DVDを見て振付けの練習。そんな日々が1ヶ月も続くと、ずん子の身体には目に見えて変化が起こっていました。
存外に低い数値を耳にして、ずん子が目を丸くします。
しかし、めたんたちには納得の数値だったようで――、三人はずん子の全身をジロジロと眺めながら、なんともいえない複雑な表情をしていました。
――その後、「ラガーマンみたいな体型になったずん子を元に戻すプロジェクト」が始動。特にこの現状を憂えたきりたん、そら、めろんによる強烈なプログラムにより、ずん子は無事あのふとももを取り戻しますが――それはまた、別のお話。
――おわり――
次回はこちら http://inove.jp/ivsid1456
































