寝る瞬間に襲ってきた蚊の羽音の対処法――東北ずん子小説魔法少女編:第13話
多くの人にとって蚊の羽音が気になるのは「血を吸われる」と考えるからであって、自分に害をもたらさないことが分かりきっていればスルーできるはずです(音そのものが気になる人は無理かもしれません)。私たちが歩くときに足元にアリがいるかどうかいちいち気にしないように、また、地球に攻めてくる宇宙人が地球人を食料としか考えていない場合があるように、蚊の恐怖を超越した存在になることで、私たちの安眠は約束されるのです。
(――東北家・ずん子の部屋――)
夜。
ずん子は長い髪をまとめながら、ベッドに横になろうとしていました。
夜風はそれなりに涼しいのですが、お風呂に入って火照った身体がお餅のようにぷるっとしています。
ずん子は長い髪をまとめながら、ベッドに横になろうとしていました。
夜風はそれなりに涼しいのですが、お風呂に入って火照った身体がお餅のようにぷるっとしています。
でも、北海道とか関東とかに比べたら夏は恵まれてるよねー。
あくまで比べればの話だけどさ!ヽ(*^ω^*)ノ
あくまで比べればの話だけどさ!ヽ(*^ω^*)ノ
というわけで、おやすみー!(ノω=`)
……(ゴロン
――……。
……きりたん!?∑(゚д゚;)
なんでここに!?
なんでここに!?
個室のはずのずん子の部屋に、いつの間にかきりたんが侵入してきていました。
しかも、いつの間にやら床に布団を敷いており、完全にお泊まりモードです。
しかも、いつの間にやら床に布団を敷いており、完全にお泊まりモードです。
頬がゆっるゆるだよきりたん……( ゚ω゚;)
まあ、別にいいけど……。
まあ、別にいいけど……。
――やったー。
相変わらず妹に甘いずん子なのでした。
では、改めて!
おやすみなさーい(ノω=`)
おやすみなさーい(ノω=`)
――はい。おやすみなさい。
……zzz(´-д-)
(――まだですよわたし……。
何をするにも完全に寝付くまで息を潜めていなければ……)
何をするにも完全に寝付くまで息を潜めていなければ……)
ずん子の寝息が規則正しく響き始める中、きりたんが虎視眈々と機会を窺っています。
ある意味、東北家にありがちな空気だったのですが――その雰囲気を破壊する、「あの音」が聞こえてきたのでした。
ある意味、東北家にありがちな空気だったのですが――その雰囲気を破壊する、「あの音」が聞こえてきたのでした。
――プゥ~~~~~ン
――!!??(ガバァ
き、きりたん……。
聞こえたよね……?( ゚ω゚;)
聞こえたよね……?( ゚ω゚;)
――え、ええ……。
確かに聞こえてきましたよ。あの羽音が!
確かに聞こえてきましたよ。あの羽音が!
もうこんな季節……!?
ヤツが……。ヤツが出たんだ!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。
ヤツが……。ヤツが出たんだ!。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。
(――三日後・『ふるさと女学院』保健室――)
はい……(ノω=`)
あれから三日。そう「三日」も経ちましたが、未だにずん子は自室の蚊を始末できずにいました。
当然眠りも浅くなり、日中の生活にも影響が出始めています。
そこで――ずん子は、学校の保健室で寝かせてもらうことにしたのでした。
当然眠りも浅くなり、日中の生活にも影響が出始めています。
そこで――ずん子は、学校の保健室で寝かせてもらうことにしたのでした。
ちなみに、保健室の先生はめろんです。
年度替わりに起きた減給事件のせいで、本来の仕事である保健体育の教師に加え、余計な仕事まで引き受けさせられてしまったようです。
年度替わりに起きた減給事件のせいで、本来の仕事である保健体育の教師に加え、余計な仕事まで引き受けさせられてしまったようです。
――おかげでわたしの作戦まで台無しですよ……。
さすがに保健室には蚊はいないでしょうし、ちょっと休ませてあげてください。
さすがに保健室には蚊はいないでしょうし、ちょっと休ませてあげてください。
ええ、もちろんOKですわよ。
すいません……(´・ω・`)
――……ずんねえさまの身――というか脚に何かしたら、教頭先生に報告しますからね?
……お、おほほ。
何を仰ってるのかしら、この小童は……。
何を仰ってるのかしら、この小童は……。
きりたんがめろんの機先を制しました。
同類同士、口ぶりから「何かを狙っている」ことが分かるのでしょう。
同類同士、口ぶりから「何かを狙っている」ことが分かるのでしょう。
――では、わたしは部活に……。
あれ? そらちゃん?ヽ(´∀`)ノ
あらあら、今日も来たのね。
――今日も?
『はい~♪
まーくつーとうさぎさまはぁ、お互いの特長を活かしてぇ、400年前の秘密を解き明かすべくぅ、極秘裏に奔走しているのです~♪』
まーくつーとうさぎさまはぁ、お互いの特長を活かしてぇ、400年前の秘密を解き明かすべくぅ、極秘裏に奔走しているのです~♪』
うさぎちゃんが巫女みこネットワークを活かして歴史史料の捜索を、そらちゃんは科学力を活かしてSHERL○CK的分析をしているみたいです。
へー。言ってくれれば協力したのに( ・ω・ )ノ
『お伝えしようと思ったんですけどぉ、眠そうでしたから~♪
それにぃ……うふふ♪』
それにぃ……うふふ♪』
うふふ……。
あっ、そうです! せっかくだから、「例の仮説」の検証をしてみては?
あっ、そうです! せっかくだから、「例の仮説」の検証をしてみては?
『いいですね~♪
ご主ずんさま、この先にとても眠りやすいベッドがあるんですけどぉ……♪』
ご主ずんさま、この先にとても眠りやすいベッドがあるんですけどぉ……♪』
無垢なのか裏があるのか、そらがにっこりと微笑んでずん子の背中側に回り、彼女を押しながらとてとてと歩き出しました。
その先には一見何もないように見えましたが――。
その先には一見何もないように見えましたが――。
――あれ?
あそこの床タイルだけ周りと色が違いますね……。
あそこの床タイルだけ周りと色が違いますね……。
『さすがご主ずんさま観察の達人、きりたんさま!
実はぁ、学校の地下に専用の実験施設を作ってもらったんです~♪』
実はぁ、学校の地下に専用の実験施設を作ってもらったんです~♪』
じ、実験施設!?( ゚ω゚;) 私何されるの!?
まあまあ、寝てるだけですから、何も痛くないし何も失わないわ……。
(――おお。ずんねえさまが珍しく警告を発した!)
『りょうかいです~♪ まーくつー、変なことしませ~ん!』
(――三時間後・地下実験室――)
――ダメだったか……。
警告とは何だったのでしょうか。
実験室のベッドで、ずん子は服をはだけさせながら――すやすやと、熟睡していました。
実験室のベッドで、ずん子は服をはだけさせながら――すやすやと、熟睡していました。
きりたん。そら。めろん。
世界の歪み三巨頭の前では、ずん子などまな板の上の鯉も同然です。
世界の歪み三巨頭の前では、ずん子などまな板の上の鯉も同然です。
『それはそうと、解析結果が出ましたよ~♪
やはり、「例の仮説」は支持されました~!』
やはり、「例の仮説」は支持されました~!』
あら、そういえばそれが目的でした。ずん子ちゃんを起こさないとですね。
――あ、任せてください。
ずんねえさまはどんなに深く眠っていても、「ずんだ餅」という単語を耳にすれば……。
ずんねえさまはどんなに深く眠っていても、「ずんだ餅」という単語を耳にすれば……。
起きましたね……。
『もしかしたらぁ、この超反応も「アレ」の影響かもしれませんね~♪』
ええ。
次は「アレ」の作用も分析しなければなりませんね。
次は「アレ」の作用も分析しなければなりませんね。
――アレ?
えっ? えっ? 何の話?(´・ω・`)
すっかり意気投合しているそらとめろんですが、何も聞かされていないきりたんに加え、寝起きのずん子がその話についていけるわけがありません。
それを悟っためろんが「教師」の表情になりました。
それを悟っためろんが「教師」の表情になりました。
ずん子ちゃん、この3日間で、何回「ずんだアロー」を使いました?
え? えーっと……。どうかな?
お餅を見かけたら本能的に射てるから……。
うーん……。
お餅を見かけたら本能的に射てるから……。
うーん……。
――初日が7回、昨日が12回、今日が2回の、計21回では?
あー、きりたんが言うなら、たぶんそうなのかな?
鞄の中のずんだペーストを調べてみれば分かるよ!ヽ(´∀`)ノ
鞄の中のずんだペーストを調べてみれば分かるよ!ヽ(´∀`)ノ
(なんできりたんちゃんが知っているのでしょう……?)
『ま、まあ正解です~(汗)
まーくつーたちはぁ、「ずんだアロー」を射るときのご主ずんさま体内の化学変化について分析したのです~!』
まーくつーたちはぁ、「ずんだアロー」を射るときのご主ずんさま体内の化学変化について分析したのです~!』
そして発見したのがこちらです!
パワーポイントどうぞ!
パワーポイントどうぞ!
めろんがリモコンを操作すると、壁に映し出されているプロジェクターの画面が変化しました。
フォントが「創英○ポップ」なあたりが、なんか地方の公立高校の教師感にあふれています。
フォントが「創英○ポップ」なあたりが、なんか地方の公立高校の教師感にあふれています。
『ちなみにこれ、ご主ずんさまのDNAです~♪
ほらほらぁ、この部分を見てください~♪』
ほらほらぁ、この部分を見てください~♪』
あ、ああっ!?∑(゚ω゚ノ)ノ
自分のDNAを見せつけられて、ずん子の目が一気に覚めました。
なんと、彼女のDNAの二重螺旋の真ん中の空間一つ一つにーー「ずんだ餅」が浮かんでいるではありませんか。
なんと、彼女のDNAの二重螺旋の真ん中の空間一つ一つにーー「ずんだ餅」が浮かんでいるではありませんか。
ちなみにこの部分、あたしたちにも少しずつ増えてきていることが先程分かりました。
恐らく、このDNAはーー。
恐らく、このDNAはーー。
――ずんだ餅を一定量食べることで発現する……?
『その通りです~♪
ご主ずんさまが「ずんだアロー」を射るとき、DNAのずんだ餅も激しい反応を見せているのです~!
そこでですね~、まーくつーたちはこのDNAについて、持ち主に敬意を籠めてーー』
ご主ずんさまが「ずんだアロー」を射るとき、DNAのずんだ餅も激しい反応を見せているのです~!
そこでですね~、まーくつーたちはこのDNAについて、持ち主に敬意を籠めてーー』
ずんゲノム!?∑(゚◇゚ノ)ノ
そうです。
噂の餅碑がずん子ちゃんを取り込もうとしたのも、その「ずんゲノム」に反応してのことでしょう。
噂の餅碑がずん子ちゃんを取り込もうとしたのも、その「ずんゲノム」に反応してのことでしょう。
――ずんねえさまの胸が平らだということが露呈してしまった事件ですね?
ええ。その有名な事件のことです。
(ーー恐らくタコねえさまのステマですね……)
で、でも、すごいね!ヽ(≧▽≦)ノ
こんな仮説、普通思い付かないよ!
こんな仮説、普通思い付かないよ!
そういえば、あたしも着想を得た瞬間については聞いてませんでしたわ。
そらちゃん、いつこのことに気づいたのかしら?
そらちゃん、いつこのことに気づいたのかしら?
『あ、それはですね~♪
「この子たち」でご主ずんさまの観察をさせていただいてる最中にですね~♪』
「この子たち」でご主ずんさまの観察をさせていただいてる最中にですね~♪』
――マイクロカメラ、ですか?
そらが取り出したのは、米粒のようなサイズのカメラでした。
そのような道具に精通しているきりたんが、目敏く正体を見破ります。
そのような道具に精通しているきりたんが、目敏く正体を見破ります。
なるほど!
謎を暴くには、何よりもまず観察からですわね。
謎を暴くには、何よりもまず観察からですわね。
そんな回りくどいことをしなくても、言ってくれれば協力したのに……(´・ω・`)
そう言って、そらは左目のバイザーでカメラのスイッチを入れました。
すると、米粒大のその機械が軽やかに宙に舞いーー。
すると、米粒大のその機械が軽やかに宙に舞いーー。
――ぷ~~~~ん。
……!?∑(゚◇゚ノ)ノ
――蚊の羽音だコレ!
えっ!?
なら、ずん子ちゃんを不眠にした蚊って、まさか……?
なら、ずん子ちゃんを不眠にした蚊って、まさか……?
『ええっ……?
ご主ずんさま、睡眠不足だったんですか~!?
いったいどうして……?(泣)』
ご主ずんさま、睡眠不足だったんですか~!?
いったいどうして……?(泣)』
『いまググりましたけどぉ、寝る前に運動するといいみたいですよ~♪
あとぉ、ディスプレイの光は寝付きを悪くする原因でぇ……』
あとぉ、ディスプレイの光は寝付きを悪くする原因でぇ……』
そ、そういうことじゃないわ!?
いや親切にありがとうございますですけれど!
いや親切にありがとうございますですけれど!
――ひょっとして……。
そらさん、蚊に刺されたことないんじゃ……。
そらさん、蚊に刺されたことないんじゃ……。
『……?
蚊と睡眠ってぇ、何か関係あるんですか~?』
蚊と睡眠ってぇ、何か関係あるんですか~?』
やっぱり!∑(゚д゚;)
夜に蚊が飛んでると気にならない!? 朝起きたら色んなところが刺されてたことってない!? 耳元で虫に飛ばれると気にならないの!?
夜に蚊が飛んでると気にならない!? 朝起きたら色んなところが刺されてたことってない!? 耳元で虫に飛ばれると気にならないの!?
そらは疑いを知らない表情で首を傾げています。
その露出の高い肌には一点のシミも、虫さされも、でき物も――ありません。
その露出の高い肌には一点のシミも、虫さされも、でき物も――ありません。
(第1話はこちら!→ http://togetter.com/li/320198 )
(前回:第90話はこちら!→http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=728 )
(次回:第92話はこちら!→ http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=918 )
(魔法少女編記事一覧はこちら! http://inove.jp/sectionview.php?sectionid=59 )
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